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覚悟を決めたa flood of circleに賭ける!
愛とロックンロールで未来をつかめ!
ア・フラッド・オブ・サークルの4thアルバム『LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL』が11/23にリリースされた。9月に2枚同時でリリースされたシングル『I LOVE YOU』『Blood Red shoes』や、配信シングル『Sweet Home Battle Field』を含む全11曲を収録。初回限定盤はDVD付きの2枚組で、DVDにはビデオクリップとライヴ・ビデオクリップの計4曲を収録。
改めて、彼らのこれまでをふり返ってみる。06年、バンド結成。当時のメンバーは弱冠19歳ながら、ブルースや70'sロックをルーツとしたその音楽性とライヴが話題を呼び、07年に1stミニアルバムをインディーズ・リリース。08年には2ndミニアルバムやライヴ音源を精力的にリリース。09年4月、1stアルバム『BUFFALO SOUL』でメジャー・デビューを果たす。その後、09年7月にギタリストが突然の失踪……バンドはサポート・ギターを迎え、同年の夏フェス出演を乗りきる。残されたメンバーは生き急ぐように2ndフルアルバム『PARADOX PARADE』を完成させリリース。2010年に入っても勢いは止まらない。サポート・ギタリストに新たに曽根功を迎え、9月に3rdアルバム『ZOOMANITY』をリリース。全国ツアーでイノベーションに満ちたロックンロールを轟かせた。同年、12/14のライヴをもって、ベースが石井康崇からHISAYOに交代する。
そして2011年。3.11以降、この国で起きた理不尽なできごとや欺瞞にウンザリしてたところに届いたフラッドの音源は、シビアな世界と闘うために必要なロックンロールがぎっしり詰まっている。“Blood Red Shoes”で「今を生きる意味を 不確かな世界で 確かめてみたいんだ」と歌う佐々木亮介の未来へ向かう強い決意が、アルバム全編に貫かれた作品に仕上がった。「I LOVE YOU」という言葉がストレートに強く刺さった今、こう思う。もうシンプルに考えればいいんじゃないか? こねくり回して遊んでる暇はない。そんな覚悟でフラッドはロックンロールを引き受けた。もう、そういう時代なんだ。ここからまたこの国のロックンロールは築かれていくだろう。2011年、日本を代表するこのロックンロール・アルバムが、どうか君にも届いてほしい。
いつでも自分の気持ちに正直にやらなきゃ
■ シンプルで強いロックンロール・アルバムだなと。以前からロックンロールですが、突き抜けた感じがします。
佐々木:シンプルに、余計なものを削ぎ落としたらロックンロールだけ残ったような感じです。けど、ロックンロールのことばかり考えてたわけじゃなくて、震災以降、自分の態度をはっきりさせなきゃいけないと思った時に、自然と言葉選び含めて、自分の手に残ったものが強い言葉や音しかなくて。結果としてシンプルなロックンロールになったと思うんです。
■ まず、シングル『LOVE YOU』と『Blood Red Shoes』を聴いた時点で、これはもうキラー・チューン来たな!って。
佐々木:(笑)よかったです。ベーシストに(HISAYO)姉さんが入って、3人でのベストを目指そうって、今年の頭くらいに考えていた中で“Blood Red Shoes”が生まれたんです。3月11日に大きな地震があって、その後“I LOVE YOU”を作りました。どっちも強い曲になったと思います。
■ HISAYOさんは押しても引いてもイケるような、ライヴでのあの佇まいも絶妙ですよね。
佐々木:姉さんはミュージシャンとして先輩で、色んなバンドをやってきてるし、音楽的に凄く理解がある。歌詞を理解してベースを弾いてくれてる感じもあって、音楽的な差し引き以上に俺の気持ちのアップ・ダウンに寄り添ってベースを弾いてくれてるんですよ。それが今、バランスいいですね。
■ それは音にも表れてますよ。そしてアルバムですが、3月11日の大震災は今作に影響があったようですね。
佐々木:そうですね。僕の場合は親族が仙台にいて、身近に連絡がつかない人がいたので、それを無視することは、ちょっとできないなって。自然と詞に出てきたんです。アルバム最後の曲“感光”は、その時のままの気持ちを書いたし、“I LOVE YOU”は、震災が起きて時間が経ってから気持ちを整理したら、歌うべき言葉が出てきたんです。
■ “感光”はほんと凄い曲です。最初「宇宙は〜」って始まって、何事だ?と思ったんですけど(笑)、聴き進めた最後に「生きていて!」って歌うところでもう鳥肌が──。
佐々木:地震のあった日の夜から朝にかけての事を書いたんですけど、最初に「生きていて」って言葉が浮かんで、それを歌わなきゃダメだなと思ったし、この曲をちゃんと作んなきゃダメだなって思い、アレンジもこねくり回したんですけど、ストーリーにしていって、視点が宇宙から、だんだんとこの国に近づいて、この街に来て、最後に俺の心には「生きていて」があったんです。それは身近な人に対して思ったんですけど、いつでも自分の気持ちに正直にやらなきゃって、自分の意思が確かめられたし、そこから逃げたらダメだって強く思ったんです。感光って、写真を現像する時とかの言葉なんですけど、夜から朝にかけて書いたので、太陽の光が差した時に何を思ったか?が肝心で、こんな事が起きて、世の中がぐちゃぐちゃしている時に、ちゃんと自分の気持ちを確かめて、真っ直ぐに生きていく以外は正しいことは無いかなって思ったんです。
■ その通りだと思うし、「生きていて」と願ったことを、表現することは何より大切だと思います。
佐々木:ロックンロールをやっていく決意を毎年固めてきたんですが、その生き様をちゃんと証明しなきゃいけないんだよなって、今年の頭から思っていた時、震災があって無視できなかったし、自分の言葉でシンプルなところだけバシッと言いきってやろうって決めてましたね。
■ だからもう「I LOVE YOU」しかないし、こう言い切れたのは大きいですね。
佐々木:前だったら遠回りな言い方をしたかもしれない。もし地震が無くても、自分のモードは前からそうで、メンバーが抜けて悩んでいる時期を過ぎて、バンドが健全な状態だったから、自分のロックって何なのかな?って、純粋に向き合えたと思う。正直に人に聴いてほしいって気持ちが「I LOVE YOU」ってシンプルな言葉になったし、今伝えたいことを潔く言うべきだと思ったし、ロックンロールのカッコよさってそこなんですよね。震災後に、自分がロック・ファンとして聴きたい言葉は「I LOVE YOU」だったけど、みんな歌ってくれないから、俺が歌ったんです。日本語でメッセージを持った歌詞のロックンロール・バンドって今、少ないと思ってたから、勝手に使命感を持っていたし、俺が言い切らなきゃダメだと思いましたね。
■ それが重いメッセージにならずに響くのがまたいい!
佐々木:本当に「I LOVE YOU」だと思ったから、そうしたくて。“I LOVE YOU”って曲名から、みんなバラードを想像したらしいですが、そうじゃなくて、楽しく聴けるのがいいと思ったし、そのほうが伝わると思ったんです。ライヴでも、一発で踊ってくれる曲にしたかったので。
俺はロックで闘いますっていう意思表示
■ 個人的に思うのが、3月の震災があって、政治や原発事故だったり、この国のダメな部分が次々と浮き彫りになってるにも関わらず、それを表現しないアーティストもいて。僕はそんな人を見る目が変わったんですよ。やらないなら「表現しない」って言い切るスタンスならいいのに、見て見ぬふりをしている感じが不自然っていうか……。
佐々木:意思表示は大事だと思う。逆に前からそうやってて「震災後のメッセージになるくらい信じてやってます」という意思表示だったら、直接的な言葉を使ってなくてもカッコいいなと思います。俺はちゃんとした言葉でなきゃダメだと思ったから、それを信じたし。――例えば、内閣がずっと変わり続けていて、みんな信じきれない漠然とした不安はここ数年、ずっと変わってなくて、そういう不安に立ち向かって行く必要があると思ったんです。俺はロックで闘いますっていう意思表示が、答えになるような。
■ 不安や悲しみも受け入れた上で向き合うんですね。
佐々木:それが大事だと思う。“I LOVE YOU”で「君はぶっ飛んでるから」って歌詞があるんですが、身近な人も含めロック・ファンの人達って、震災があってもライヴハウスに来て「勇気もらいました」って言う人達がいて、いい意味でぶっ飛んでると思ったんです。凄く不安でも、ロックを聴きに来て「じゃあ、明日も仕事がんばる!」って美しいなと思ったし、こっちもお客さんに全力で「I LOVE YOU」って言える。最初は身近な人への「I LOVE YOU」でしたけど、ロックンロールを聴いてる人に届けられることは凄くいいなと思うし、今ある不安に対して、俺らがちゃんと背負って立ち向かうっていう意思表示をしないと。
■ 受け取る側もそう思ってるはずです。そんな時代になってると思う。ライヴでスカッとして「明日も会社や学校でがんばろう!」くらいの理由でいい気がして。前は表現する側もリスナーもカッコつけてたと思うんですが、これだけ色んなことが起きて、理不尽なことがまかり通ってるから、もうシンプルな考えでいいと思うんですよね。
佐々木:そうですね。俺も社会に対してというのもあるけど、人に伝えたいっていうのが凄く強いので、メッセージがはっきりしてくるし、そのメッセージをちゃんと受け取ってほしいと思ったから、言葉や曲をシンプルに強くしたくて、これでしょ?っていうロックンロールで今回貫けたので、突き抜けた感じにも繋がったと思います。
■ 今作は色んなタイプの曲がありますが、“YU-REI Song”とか、どこか新しいですね。
佐々木:今まで自分が連呼してきたロックンロールとかブルースにまだまだ無限の可能性があるなって。例えば3コードやシャッフル・ビートだったり、曲のコードやリズムとかは、スタンダードなロックから受け継いだものが多いのに、今までで一番ってくらい曲のバリエーションはある。それは自分でも発見というか、ロックやブルースって掘りつくされたかと思ったけど、本当に無限にあるなって。
■ 前作の『ZOOMANITY』も同じくロックンロールなアルバムでしたけど、どこか偏った感じもするんですよね。
佐々木:『ZOOMANITY』は常に重たさがあって、全曲聴くとちょっと疲れるなって。でも、そのイビツな表情自体は好きだし、もちろん自信あったし。それを経て、今の自分のモードができて、最も軽快なアルバムになったと思うんですよ。
■ “Sweet Home Battle Field”とか、得意そうな曲ほど軽快に感じます。
佐々木:そうですね(笑)。得意そうって思ってくれる曲が一番ブラシュアップされていて、前だとサビにもっとコードをつけて歌モノっぽくしていたのをズバッ!と演ったり。例えば、ホワイト・ストライプスやストロークスみたいに、近代的な形でロックンロールの答を出してきたバンドがいますが、a flood of circleもそれをやるべきだっていうのを音楽的なテーマとして持っていて。アレンジで余計なことをしなくなりましたね。しそうになる瞬間は何度かあって悩んだし、特に“Sweet Home Battle Field”と“感光”はアレンジに時間かけて悩みましたが、どの曲もシンプルな所に落ち着いたので研ぎ澄まされたんです。
今の時代に必要なのがロックンロール
■ 歌詞は社会に対してシニカルな視点もあるのかなって。
佐々木:もちろんあるんですけど、ストイックな詞でもちょっと冗談っぽい詞を入れてみたり、“Hide & Seek Blues”はよく読めば、かくれんぼの歌だったりします(笑)。「愛」とか「ロックンロール」って言葉としてはよく聞くけど、意味を説明しだしたらキリがないじゃないですか。一人ひとり答が違うし。実は正体がよく分からない、けどそれを確かめるのもロックンロールだし。「不安」や「悲しみ」もまた正体がよく分からないけど、それに立ち向かうのも、それを確かめに行くのもロックンロールの役目だと思ってるんです。例えば“Boy”は、俺達より若い世代、不安な世の中を生きる子供のためにもって思って書いたし。
■ これは凄くいい曲ですね。サビの開かれた感じもいい。
佐々木:今、みんな不安だから、ここじゃないどこかに行きたいと思ってるけど、簡単には動けない。どうにかしたいって瞬間にロックは背中を押してくれる。そんな気持ちで書いたんですよね。
■ 選曲的にも、今の感覚がある曲が並んでますよね。
佐々木:“Miss X DAY”って曲がレンタル限定盤に入ってるんですけど、アルバムから敢えて外したんです。姉さんが入ってからの曲なんですけど、『ZOOMANITY』の頃からあった曲なので詞のモードもやっぱり違うし、それくらい今回は俺が今やりたい詞と曲なんですよね。その曲が無くても成り立つくらい意思がはっきりしているので。
■ アルバム名の『LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL』もそうだし、ジャケットもロックンロールな感じがします。それらを、ちゃんとイメージできた結果ですかね。
佐々木:日本のロック・シーンって今、鎖国状態になってるというか、フェスとか盛り上がってるから、お客さんがちゃんと日本のバンドを見ているのは最高なんですけど、海外のバンドのお客さんが入ってなかったり、英米でカッコいいとされてるバンドをみんな知らなかったりして。それは不健康だなって思ってるから、さっき言ったホワイト・ストライプスやストロークスみたいなロックのアプローチをちゃんとやりたくて。日本だと、ロックだけで転がって行こうって感じるバンドが少ないんですよね。スタイルとしては60〜70年代の影響を受けたバンドは山ほどいるんですけど、大事なことを歌う人が少ない気がしていて。自分達の立ち位置が何となく見えたからこそ、歌詞もジャケとかもちゃんとロックンロールなんです!って。
■ 今の若い世代って本当にロックンロールが好きなんですかね? あまりロックンロールって口にしないですよね。
佐々木:なんでみんな好きじゃねぇんだよ!と怒ってもしょうがないから、俺は今の時代に必要なのがロックンロールって言わなきゃダメだなと思っていて。尊敬する先輩もいるし、伝統として引き継いでいる自覚はあるけど「みんなロックンロールを好きになってくれよ」って言うより「これが必要なんじゃないか」って気持ちで、今の時代のロックンロールを作っている。その順番が大事だと思うんです。最初に自分の気持ちがあって、ロックンロールが必要だからやっていたいし、ロックンロールに対して盲目になってると、やっぱりスタイルになっちゃうと思うんですよね。逆に俺はそれがロックンロールだとは思えないんですよ。
■ 単にスタイルをなぞりたいわけではないと。単にイメージで「はいはい、ロックンロールね」って捉えられたら違うというのは、聴けば分かりますからね。
佐々木:そうですよ。俺から見ても、そういうのが増えてると思うし。いちアーティストとして、今こそ必要だなって覚悟を決めてロックンロールをやってるんですよね。それは確かだし、このアルバムの強みだと思いますね。
■ もちろんそんなアルバムになってるし、別にロックンロールを意識しなくても、入り込めるというか。
佐々木:聴いて「あ、これがロックンロールなんだ」って後から思っても十分だから。
■ では、2012年のバンドの展望をお願いします。
佐々木:来年の渋谷AXとか、夏こうしたいとか、こういう曲を作りたいとかイメージはあるんですけど、単純に来年はこうなりたいっていうのは無くて、長い目で見て将来、ローリング・ストーンズになりたいっていうのだけがあって。今は本当にアルバムに自信があるから、これは今年の日本代表だと思ってるので。
■ 僕もそう思いますよ。ロックンロール日本代表って。
佐々木:お! 冗談抜きで本当に思ってるから、調子に乗ってるんで、来年こうなりたいって言う必要無いっていうか、それが自然とツアーで証明できる気がしているので、何が本物か分かるんじゃないですかね。
Interview & Text : 田代 洋一
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Oneman Tour 2012
“LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
-見るまえに跳べ-”
2/18(土) 千葉LOOK
2/23(木) 神戸 太陽と虎
2/25(土) 岡山ペパーランド
2/26(日) 広島CABE BE
3/01(木) 京都 磔磔
3/03(土) 福岡BEAT STATION
3/04(日) 大分club SPOT
3/10(土) 高松DIME
3/11(日) 高知X-pt.
3/17(土) 仙台MA.CA.NA
3/18(日) 盛岡CLUB CHANGE
3/20(火・祝) 水戸LIGHT HOUSE
3/24(土) 金沢van van V4
3/25(日) 新潟CLUB RIVERST
3/29(木) 横須賀かぼちゃ屋
4/01(日) 札幌COLONY
4/07(土) 名古屋CLUB QUATTRO
4/08(日) 大阪JANUS
4/15(日) 渋谷AX
詳細は http://afloodofcircle.com/ にて
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