|
4人の誰もが敢えて率いないGHEEEという集合体
3年ぶりの3rdアルバムについて深沼元昭に訊く!
3年ぶりとなるアルバム。その間、深沼は昨年のプレイグス奇跡の復活に、メロウヘッドも並行し活動。佐野元春や浅井健一のツアーサポートもあった。近藤は弾き語りと、自身のバンド、ザ・バンディッツ・リベレーションも結成した。Hisayoはtokyo pinsalocksの他、a flood of circleへの正式加入、近藤のバンドでもベースを弾く。YANAはDRYASDUSTでの活動と多数のサポートをこなす。
「みんな、他のプロジェクトはリリースがあってツアーに向けてって感じですけど、GHEEEだけは日常的にライヴを演っていて。いい意味で、特に目的もなくこれだけライヴをやるって、僕はあまりないんです(笑)。ある意味、パーマネントでやってるバンドですね。プレイグスもやっているけど、割と大きな目的に向かってやる感じなので」。
GHEEEは4人とも多忙で、練習でスタジオに入ることもままならないが、気づくと次のライヴの予定が入っている。
「ライヴのリハでリハをしてるような感じです。そんな状態でも、そろそろ新曲があった方がいいなって曲を書いて、ライヴですぐ演って。それが溜まってアルバムになる」。
ちなみにGHEEE の1stと2ndのリリース期間は8ヶ月と短いスパンだった。
「ワンマンライヴをこなせるだけの曲数が無かったんですよ(笑)。曲を揃えなきゃいけないっていうので、モチベーションが上がりましたから」。
それ以降も曲は作り続けた。
「モチベーション上げるために曲を書いて、ライヴで速攻やるっていう、そういう意味では部活っぽいバンド。今まで色々やってきた中でもGHEEEの雰囲気が一番和やかなんですよね。個人的には4分の1でいられるのがいい。誰もバンドを率いないんです。音楽的には僕がエンジニアも兼ねているので比率は高いんですけど、バンドのメンタリティ的な部分の中心には近藤さんがいるので」。
始動時から、近藤がセンターに立って、いわゆるギターロックを英詞で歌うという一貫した音楽性にブレはない。
「GHEEEの音は、ピールアウトやゼペットストアやプレイグスと似てないんです。ちゃんと別なものになっている」。
今作は冒頭1、2曲目のリズムが鮮烈に耳に残る。GHEEEの新機軸とも言える。
「GHEEEは分かり易く1曲目がリード曲なんですよ。今回の“Silver tongue”は、まずHisayoちゃんのベースが中心になっていて、近藤さんのリフが絡んできて、俺は歌ってて、途中で近藤さんにヴォーカルが変わって――バンド全体の顔が見えるアレンジになってるんです」。
リズム隊は時にアスリートっぽい。
「僕が作るデモってドラム的には凄く難しいんですよ。それを承知の上で作ってるんですけど(笑)。流石にこれはできねーだろ!って曲でも、YANAさんは頑張って同じように、それを越えるものをやろうとしてくれる」 。
また今作では、近藤と深沼が1曲の中で交互にヴォーカルをとる曲も多い。その割り振りのしかたは?
「最初の段階からツイン・ヴォーカルの個性を演出含めて考えながら作ってるんです。それも作曲の一部なので」。
かたや近藤は衝動的、本能に赴くまま曲を書いて歌う。
「どんな未完成な状態でも人前でやることにビビリがないんです。これはまだ早いでしょ!と言っても、演ろうとするのが面白い(笑)」。
近藤の自由な感じも部活っぽい雰囲気になる一因かもしれない。
「プロ・ミュージシャンが集まった部活。それぞれいい加減なものを見せられないというのはありますから。とは言え時間も無い。だから、見えない所でしっかりやってくる。実は早朝に来てバット振ってるみたいな(笑)。いいメンタリティです。曲について真剣に考えて、お互い意見を言うだけがプロフェッショナルな作品やステージに繋がるわけじゃないと、みんな20年くらいの長いキャリアの中で気づいたからじゃないかな」。
よくバンドのメンバー同士がぶつかる話は聞くが
「一回やってみたいぐらいだね(笑)。ただ、それはある意味、青春だと思う。
経験をしてきた今は、音楽は険悪にならずともまとまる時はまとまる、とも言えますけど」。
それぞれのバンドで90年代から00年代を切磋琢磨してきた。4人ともバンドのイニシアチブをとれる音楽的力量もあるが、敢えて誰も率いないGHEEEという集合体の一部になっている。
「これからのGHEEEはこうしていこうぜ!みたいな話は出たことない。イニシアチブをとる人がいない中でやる面白さを追求してるんです。なるようになる面白さがあるんです。それぞれが自分の役目を果たして、いい音楽ができて、結果としていいアルバムとライヴができればいい。ロックバンド然と葛藤しながらやっていくやり方でなくても音楽はできる」。
これは、バンドの新しいスタイルの提案と言える。
「音楽的な部分で意見が衝突したことなんて皆無ですよ。それぞれが4分の1でいることがGHEEEだと思ってるから、誰もそれを越えないんです」。
3枚目のアルバムだからタイトルは『V』である、ちなみに1stはバンド名を冠していた。
「元々、タイトルとか要らないと思ってる人らが集まって行動した結果がアルバムになっているので。でも、よく3枚目が一番いいとかファンタジックに言うし、ちょっと特別だったりするから、そういうロマンチズムはあるかもしれない。その内、アルバムとか無くなると思うけど、思ったよりまだポップミュージックのフォーマットを大事にするもんだなと」。
つまり、CDでアルバムを出すという概念は、ダウンロード等でなし崩し的になる可能性もあったが、今もアルバムを出す意義は十分にある。最後に『V』ができ上がっての達成感は?
「過去2作よりも圧倒的にGHEEEらしいアルバムだし、ギターしか使ってないただのギターロックで、ギミック無しでテンション高いアルバムって、実はそう無いと思うから。時代性も特に無いんですよ。似たバンドもいないし。結果的に個性的になってる。それがGHEEEの良さなのかなぁと。こういう形で続いていければ」。
Interview&Text : 田代 洋一
 |

『GHEEE“III”Release Tour 2011』
6/03(金) 名古屋HUCK FINN〈ONE-MAN〉
6/04(土) 大阪・心斎橋twice cafe´〈近藤&深沼弾き語り〉
6/05(日) 大阪・心斎橋FANJ twice〈ONE-MAN〉
6/11(土) 福岡DRUM Legend〈近藤&深沼弾き語り〉
6/12(日) 福岡SPIRAL FACTORY〈ONE-MAN〉
6/17(金) 札幌レストランのや〈近藤&深沼弾き語り〉
6/18(土) 札幌SPIRITUAL LOUNGE w:Jake stone garage
6/19(日) 札幌mole w:FLUKE/naked/and more
6/25(土) 渋谷Milkyway〈ONE-MAN〉
詳細は www.lavaflowrecords.com/gheee/ にて
|
『III』
Now on sale
LAVAFLOW RECORDS
DQC-688 |
(※新しいウインドウが開きます) |