真剣組〜GACHI-GUMI〜


城咲仁が本気で音楽と向き合い結成した「真剣組」登場
脈打つ音楽愛と最強のエンターテインメントで加速中!!

 タレント城咲仁がボーカルとしてフロントマンを努める真剣組〜GACHI-GUMI〜。おそらくこのバンドの存在を知っている人は読者の中では皆無に等しいだろう。筆者もそうだったし、そもそもどんなサウンドで勝負してるバンドなのかと想像をしても、タレントである城咲仁が所属するバンドというだけで変な固定概念がまとわりついていく。だが、その固定概念はライヴというリアルな場所で意外にも剥がれ落ちていく瞬間を、彼らのエンターテインメント性を通して感じてしまった。真剣組というバンドは何を求め、城咲仁はを目指しているのか。詳しくはメンバー全員を迎えて行われたインタビューを読んでいただきたいのだが、あまりにもぶっちゃけトーク過ぎて、かなり面白い内容になってしまった。地位も名誉もかなぐり捨てて音楽と向き合う真剣組〜GACHI-GUMI〜の本気を感じてほしい。

■まず城咲仁がバンドをやっているということを知らない人がたくさんいると思うので、初歩的なことからお伺いしていきますが、このバンドはどのようなヴィジョンで始まったバンドなんでしょうか?

JIN:
実は2008年から活動してて、始めを第1期、いまを第2期としてるんですが、第2期で言うと肉食系さわやかエロ・ロックがテーマになってます。これ意外と深いんですけど、いまの時代って草食系男子が多いじゃないですか?音楽の根本って誰かを幸せにしてあげられたり、落ち込んでる人を元気にしてあげようとか、そういうところにあると思うんですけど、せっかく男に生まれたからには肉食系で引っぱっていける存在で居たい。そういう意味での肉食系であって、そこを音楽を通して伝えていければいいなと思ってます。

■さわやかエロ・ロックとは具体的にどんな感じですか?

JIN:
音で言うならスパニッシュ系ですね。スペインが大好きなのであのノリです。でも、これは惡蒐(Ba)が入る前に俺が速水(Gt)に発注したものなので、惡蒐が入った以上はサウンド的にそこばかりではないんですけどね。かなり激しいのも増えてきてるので。

■なるほど。では、そもそもこの3人はどのように出会ったんですか?

速水:
俺とJINが出会ったのはJINが芸能界に入るタイミングだったんですけど、JINがDVD を出すとことになって、そのギター・アレンジを頼まれたのがきっかけで。で、そこから遊び仲間になったんですけど、真剣組が始まる時にも声をかけてもらって、今に至るという感じです。

■速水さんは第1期からのメンバーですが、惡蒐さんが加入されたのはいわゆる第2期からなんですよね?

JIN:
そうです。惡蒐との出会いは不思議なもので。僕にとって第1期というのは反省点が多過ぎて、周りの人を振り回したし、失敗だらけだったんですけど…………いろんなことをやりたくて芸能界に上がってきたんだから、もっと素直になろうと思ったんです。「俺、歌ヘタだけど真剣にバンドやりたいんだ」って周りにすっごく言うようにして、音楽の現場とは関係ないタレントの現場でそれを言い続けてたんです。そうしたらある人の「じゃあ探してあげるよ」という一言から巡り巡って惡蒐に辿り着いて。本当に不思議な巡り合わせでしたよ。で、初めて会った時、いきなりうちに来てもらったんですけど、惡蒐の音も何も全く聴いてないのに「これはイケるな」と。

■感覚的になにかを感じたんですか?

JIN:
そうなんでしょうね。

速水:バンドって結局は人間性ですからね。

JIN:演奏が巧くても人間性がダメな人多いですからね。まあ、もっと言うと「惡蒐みたいな目立つ人間が居てくれたら心強いよね」ってことなんですけど(笑)。

■確かに惡蒐さんはライヴでの存在感も含めてインパクトありますもんね。

JIN:
それに速水と惡蒐が両サイドに居たら対比があって面白いじゃないですか?フロントマンの俺ばかりがどうとかじゃなくて、バンドとして面白い。速水は静かに演奏するタイプで惡蒐はガンガン動きまくる。二人が書く曲もすごく対比してるんだけど、速水は歌い上げるミディアムな曲を書いてくるし、惡蒐はラウドなものを書いてくる。時々、「どっちにいきたいの?」って訊かれたりもするんですけど、それでいいんですよ。違うから面白い。

■では、速水さんと惡蒐さんに敢えてお伺いしますが、タレントである城咲仁と一緒にバンドをやるということに対してどう感じましたか?

速水:
普通のバンドができることも制限されるだろうなという覚悟はあったし、実際制限されることはたくさんあったんです。でも、プラスに考えるとJINがメディアに出てる時点でそれがバンドの宣伝にもなってるわけで、これは他のバンドではなかなか出来ないことだと思うんですよ。どっちがいいのかなんてわからないけど、今までやってきたバンドとは違う方向で進めますからね。それはそれで面白いことだと思ってます。

惡蒐:やっぱりタレントである城咲仁という肩書きが先行するとは思うけど、それを活かすことで他のバンドよりもっとエンターテインメントな部分が出せる。このバンドは聴かせるライヴというよりもエンターテインメント性の強いライヴをやることが理想だから、そうするためには素晴らしいフロントマンですよ。

JIN:正直に言えよ!初めて会った時に「嫌な奴なんだろうな」って思ったこと正直に言えよ(笑)!!

速水:俺もそれ言ってくれるのかと思ったのに(笑)

惡蒐:言わない………。

JIN:そんないい子ちゃんに思われたくねーよ!!

■あははは。私もそういう発言がくるのを待ってたんですけどね。

JIN:
俺自身も俯瞰で自分を見てるんですよ。そりゃ俺みたいな人間と初対面で会うっていったら構えますよ。「え?、元ホストでしょ?」みたいなね。

■ええ。私も正直言うと身構えました。

JIN:
ですよね(笑)。

■まず想像つかないですからね。城咲仁がバンドやってると言われても。「ポップなの?」ぐらいの想像しかできなかったし、そもそも物凄い先入観を持たれるバンドだと思うんですよ。

JIN:
そうですよね(笑)。

■でも、ライヴを観てみたらラウド系の重たいサウンドもあって「えっ!?そっち?」とかなり驚いたわけで。

JIN:
重たい音に感じました?

■ギャップがあり過ぎて過剰にそう感じたところもあるとは思いますけどね。

JIN:
松木さんがそう感じるぐらいなら、ライヴに来てくれたお客さんはもっと重たく感じたかもしれないですよね。城咲仁がやってるバンドの音として考えれば、ギャップがあり過ぎるのかもしれない。あ、でもそれってもしかしたら惡蒐のヘッドバンギングを観てそう感じただけじゃないですか(笑)?

速水:視覚効果かもね(笑)。

■あはははは。確かにアッシュさんの動きはかなりイカついし、城咲仁のバンドにデス声で暴れまくるメンバーが居るなんて、想像の域を超えてましたからね。
アッシュ:俺もね、前回のツアーは探り探りだったんですよ。このバンドの過去を全く知らない状態でやってて、ツアーやって初めてわかったことがたくさんあるから。みんなと同じ感覚で「城咲仁ってどうなの?」って感じだったけど、この人のエンターテインメント性はすごいと感じることがわかったし。

JIN:
先入観はあって当然ですよ。でも、それでいいと思うんです。あとね、お客さんや周りの意見を聞いてても、自分がやりたいことと求められてることが違うんだってこともわかった。俺に合うと言われる曲ってライヴでもやってる“永遠”とかミディアム・テンポの歌ものなんですよ。でも、バンドでやりたい曲ってもっと激しくて男っぽいものでね。音楽のレベル云々では物言えないけど、この二人が居ることですごく糧になってるし、ずっとバンドやってきて、現場で動いてきた人が居てくれることでいろんなことが見えてきましたしね。

速水:俺がよくJINに言ってるんですけど、彼にはバンドマンになってほしくないんですよ。

■どういうことですか?

速水:
現場を通ってきたボーカリストは「こうじゃなきゃいけない」という固定概念がどっかにあると思うんですけど、彼は逆に「ボーカルってなんなの?」って次元から始まってるぐらいなので、俺らが想像もつかないエンターテインメントを思いついたりする。だからヘタに染まってほしくはないんです。

■ずいぶん斬新な考え方ですね。

JIN:
俺ね、ボイトレ通ってるんですけど、そこの先生と速水が同じようなこと言うんですよ。「あんたは喋ってなんぼでしょ?ホストやって、タレントやって人を楽しませて食べてきてんでしょ?」と。「歌の実力なんて後からいくらでもついてくるんだから、あんたはエンターテインメントとして喋って楽しませるボーカリストになりなさい。ステージで存在感があることの方が大変であんたにはそれがあって、歌がヘタなわけでしょ?だったらまずは前者を培いなさい」って。なんかね、そう言われたことでずいぶんラクになれたというか。「あんたがボーカリストとしての話するなんて、私ちょっとムカつくから」ぐらいのこと言われて(笑)。

■ずいぶんストレートだけど、いい先生ですね。

JIN:
でしょ?物凄く救われましたよ。「ああヘタでもステージ立っていいんだな」って、許可がおりたと俺が勝手に思ってるんだけど(笑)。でもね、その分絶対にやらなきゃいけないことはチケット代以上の価値で楽しませるってことなんですよ。そこはまずタレントである俺の特徴をどんどん出していこうと。

■確かに40分の持ち時間の中でずいぶん喋ってましたもんね。

JIN:
40分で5曲だしね(笑)。バンド仲間にその話をしたら「すごいね。俺そんなに喋れないよ。俺ら喋ることが苦手だから歌うんだよ」って言われたけど、俺からしてみたら「歌うの苦手だから喋るんだよ」って(笑)。

■音楽だけ聴いてたら寡黙なバンドをイメージしますけどね。

JIN:
そうでしょ?今ある5曲に関しては寡黙にやった方が絶対いいんだけど、寡黙にやってもあの盛り上がりにはならなかったと思いますよ。

速水:反対意見もすごく多いんですけどね。喋り過ぎじゃないかって。でも、俺らからすれば、あれが俺らのスタイルだし、今回ツアー廻ったことでその確信がついたんですよ。エンターテインメントにやっていくのが真剣組というバンドですから。

JIN:初歩的なことはまだまだ追い付いてないし、あとは自分との戦いだし、ステージとの戦いですけどね。このメンバーになってからまだ4回しかライヴやってないけど、中音の違いで同じ曲でも全く違う曲に聴こえるわけですよ。それは自分の経験値の無さだけど、その話を二人にするとずっとバンドやってきた二人ですら悩むことで、惡蒐に関してはローディーの仕事もやってて俯瞰で師匠の音を聴いてても毎回悩んでるわけだからね。

■ローディーもやってるんですか?

惡蒐:
BULL ZEICHEN 88のIKUOさん(Ba)のローディーをやってます。

JIN:自分のステージでも師匠のステージでも現場に居るアッシュもそうなんだから、俺なんてステージに洗礼受けまくってますよ。まだまだ目新しいことばかりだし。

速水:ひとつ決めごとがあって、失敗するならとことん失敗しようって結成当初から言ってるんですよ。中途半端なことやってつまらないのはお客さんですからね。

JIN:そう。これはタレント的な考え方だけど、バラエティーとかで聞くタレントの失敗談って面白いじゃないですか?でも、中途半端な失敗談って全然面白くないんですよ。これは自分達にも当てはまるんだけど、昔、俺がイカ天大好きでホコ天にも憧れてたから、当時で言うホコ天の場所で「どうしてもライヴをやりたい」ってワガママを言って、お客さんからお金も取れないのに結構なお金かけて路上でゲリラライヴやったんですよ。まだアッシュが入る全然前にね。

■あー、その映像ホームページにありますね。

JIN:
そうそう。あれですよ。もうね、あんなにすべったことないってぐらいの失敗だったよね。

速水:あんなに恥ずかしかったことないよね。メイクしてキメキメの衣装着て竹下通り歩いて。客観的に見たら「大丈夫!?」って感じですよ。でも、あの失敗がなければ今の俺達は無いよね?

JIN:もう何もコワいものないよね。あれ以上のすべり方知らないもん(笑)。誰も俺らのこと知らないのにスタッフ全員に真剣組のTシャツ着てもらって、でっかい看板持って原宿練り歩いて、「今からライヴやるから来てくれ!」って言ったら300人ぐらい集まったんだけど、そんなエラそうなこと言いながら全く演奏力の無いライヴを観せてるわけですよ。発電機使ったらその音がうるさすぎて肝心な音が全く聴こえないし、もう失敗だらけ。今だから笑って話せるけど、当時はキツかったですよ。次のライヴが決まってるわけじゃないし、メンバー全員が変な雰囲気になってるし、俺は落ち込んでるし。落ち込んでる俺に対して周りは活性化されてないし。

■おもろエピソード満載ですね(笑)。

JIN:
ビックリするぐらいの大やけどですからね。やっと退院してきましたよ、一発だけの路上ライヴにあれだけの金かけてこれでしょ?マジですべったな?。

■まだ言いますか(笑)。

JIN:
ホスト辞めて、芸能界入ったこの6年間で一番すべったんじゃないかな。今でも好きですけどね、あの粋がった感じ(笑)。

■それがいわゆる幻の第1期なわけですね。

JIN:
そうそう。もうね、ちゃんとバンドのセオリーをわかってる惡蒐が入ってきてくれて良かったですよ。バンドマンらしいバンドマンでしょ?第1期は理想ばかりを追いかけ過ぎたんですよね。曲は良かったんですけど、それはたぶん自分達のための音楽だったと思うんですよ。自己中心的なね。いまはそうじゃなくて、100%オーディエンスを考えようと。お客さんが楽しめる音楽じゃないとダメですよね。この二人と一緒にバンドを組めたことで、格好つけるってことを払拭できたし。本当にいまさらですけど、30歳超えてやっとバンドの凄さに気付いちゃうんだもん。凄いよね、バンドって。

■今になってそのワクワクする気持ちを持てるのも貴重ですよね?

JIN:
こないだ大阪MUSEでライヴやった時にドラムの後ろからお客さんを撮った写真があるんですけど、みんなすごい笑顔でステージを観てるんですよ。俺らに対して笑ってくれるって宝ですよ。それ知ってしまったらワクワクしますよね。これはっきり言えることだけど、音楽にかけてきた時間は少ないけど、音楽が死ぬほど好きな人間だから逆の立場でも考えられるし。音楽って本当にいい。

■今後の真剣組が目指すのはどんなところですか?

速水:
お客さんはお金だけじゃなくて時間を使ってライヴに来てくれているので、その時間を楽しんでもらうために僕らのやり方で進んでいければと思ってます。それが真剣組であって、他のバンドであれば音楽のみでしか選択肢が無いけど、せっかくこの3人でやれるのであれば同じ時間でも他とは違ったスタイルでお客さんを楽しませていきたいです。

JIN:2時間のライヴで飽きさせないって物凄く大変なことだと思うんですよ。例えば、筋肉少女帯のライヴって観てて全く飽きない。楽しませることに重点を置きながら演奏も凄いでしょ?理想中の理想ですよ。
アッシュ:このバンドはまだCD出してないけど、それだけじゃ伝わらないと思うし、やっぱりライヴを観てもらって初めてわかってもらえると思うし、そこで城咲仁に対しての固定概念が消えると思う。

■新宿MARZでライヴがありますが、どんなライヴになりそうですか?

JIN:
今はそこしか考えてないから俺の中ではすでに夏は終わってるんですけどね(笑)。中途半端なことは絶対にしたくないからガチでいきますよ。惡蒐と速水がやってる他のバンドも出るし、ここが勝負ですね。第1期でのリベンジもしていかなきゃいけないし。あと、まだライヴハウスに行ったことない人がこれをきっかけに来てくれるのも嬉しいし。ま、来てみたら髪がピンクのイカついベーシストがいますけど、決してコワくないので(笑)。

■(笑)。ありがとうございました。では、ライヴ楽しみにしています。それにしてもアッシュさんの発言が少なかったんですが、いいんですか?

惡蒐:
いいんです。俺は喋らないキャラなので。キャラ崩壊するので勘弁してください(笑)。


Interview & Text : 松木美歩


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