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片寄明人(Great 3)プロデュース。
ミックスは深沼元昭(Mellowhead/PLAGUES)による珠玉の名盤
京都出身の三浦コウジが上京し、acari-あかり-結成。09年1月、初の流通盤『片想いのレッスン』を全国発売。同年、現在の5人編成で本格始動。今年2月、代官山UNITにてMellowhead、Chocolat&Akito、Nona Reevesと共演。3月、下北沢CLUB Queにて自主企画イベント『魔法 vol.1』開催。5月、J-WAVE主催イベントに出演。三浦の繊細な歌声と甘く切ないメロディ、60'sソフトロックからオルタナティブロックまでを消化した独自なサウンドは、必聴です!
■三浦君がメンバーを誘って、組んだ感じですか?
三浦:そうですね。僕は東京に来る2006年まで京都にいて、元々、1人で曲を作ってて。全部自分で楽器を録音してたんですけど。どっかで東京で鳴ってる音楽に憧れはあって。
■とにかく東京に出たいのもあったんですね?
三浦:それもありました。まず自分の曲をバンドで演りたかったですね。自分の曲を再現するようになってから、少しずつメンバーの色だったり、自分達がどういう音楽ができるのか、メンバーのやりたい音楽とかを詰めていって。今の5人は出身も聴いてきた音楽もバラバラなんですよね。各々の演奏したい雰囲気や気分はバラバラなのを、今回、メンバーが持ってきた色を一度全部塗って、それを遠くから見た時に、いろんな色に見えるような作品になったと思いますね。
■acariってバンド名の由来は?
三浦:特に理由は無かったんです。ワンワードでというのはあったんですけど。聴いてくれる人が、その人だけのイメージで、そこに投影できるような、決まったイメージのないバンド名にしたかったんです。言葉にあまり意味を持たせたくなかったので。
■ほんわか、ふんわり、あったかい感じがacariってバンド名から連想されます。メンバーそれぞれ音楽的背景は違うようですが、三浦君はどんな音楽が好きで影響受けてますか?
三浦:色々な音楽、本やテレビ、自分の足で行った土地とか全部に影響受けて、それが自分に返ってきてますね。それがメンバー5人分、それぞれ人生や生き様があって、それを忠実に出して曲になってますね。
■いわゆるJ-POP的な聴きやすさもあり、洋楽のUSオルタナティヴの影響や、キラキラしたインディーポップみたいな感じもありつつ、一概に言えない音楽だと思いますが。
三浦:まず歌がしっかりあるのが僕の中では大前提。例えばメロディだけならピアノ1本とかでも弾けるじゃないですか。それを例えばThe Flaming Lipsとか、THE BEACH BOYSでもいいんですけど、その匂いみたいなので、自分のメロディが、もっとグッとくるようになったり。その為にメンバー全員の引き出しを引っぱってる感じですね。歌詞と曲は、ほぼ同時にできるんですけど。その時点で、ある程度の匂いというか、例えばテンポや楽器をメンバーに伝えます。イメージが上手く伝わればすごく早いですね。
■歌は有りきですけど、曲毎にキーとなる楽器が違いますよね。例えば“ほおずき弾けたら”は、ハモンドオルガンがアレンジの要になってたり。曲毎のアレンジが抜群です。
三浦:今作で一番やりたかったのは、5人になって初めてのアルバムなんで「5人の見せ場がアルバム通してある」が、もう一つのテーマだったんですよ。1曲目はオルガンがキーになってたり。2曲目は2本のギターが。3曲目“この世の果て”はちょっとダビーなドラムのフックがあったり。
■全9曲、意思の疎通ができてるバンドだと思いましたよ。
三浦:アレンジは時間はかかったし、かなりぶつかり合いもあるし。例えば音を減らした方が自分のイメージに近いとか。5人いるとカラフルにはなるんですけど、丁寧に演らないと破綻してしまうんです。そこのバランスが大変でしたね。
■あと三浦君の歌声が印象的です。かわいらしい声、雰囲気のバンドって最近あまりいないから新鮮だったんですよね。
三浦:男っぽいバンド、男っぽい歌って、それは男っぽい人がやってるから、そうなるんですよね。僕はそんなに男っぽくないから、こういう声なのかもしれないですね。自分に忠実なのかなと思ったり。僕ら今も新しい曲を作ってて、僕の中で作る曲が若くなっていて。それは今の感じに無い激しい、重い感じを面白いから試しにやってみようってより、自然にそうなっている。昔は緩いテンポの曲が多かったのが、年々、速い曲やエッジが立ってる曲を好んで聴くようになったんで、自分に素直に、そういう曲を書きたいと思うんで。でも、ずっと聴けるエバーグリーンなモノじゃないと駄目なんですね。
■今回、片寄さんをプロデューサーに迎えたようですが。
三浦:僕はGreat3が好きで、片寄さんの曲、世界観とか好きなんです。今回、機会があってプロデュースして頂く事になって。一ファンの僕はそこにいたんですけど、作品を同じベクトルで作っていく。そこで段々とイーブンな関係になって、第6のメンバーみたいな感じで、アイデアもメンバー+片寄さんで一緒になって出したり。「こうしなさい、こう弾いて下さい」みたいなのは全然無くて、僕らのアレンジとかを尊重してくれた中で、片寄さんがメンバーになって「こうすればグッとくるんじゃない、面白いんじゃない」とか、そんな感じで中に入って頂いたんですよね。
■引き出しが多い方ですし、物腰も柔らかいですよね。
三浦:そうですね。片寄さんの曲の莫大なライブラリーから、僕らの知らない音楽をいっぱい教えてくれて、これ聴いたら?って。全然知らない音楽もあって、音楽の聴き方が変わったのが一番大きかった。片寄さんが「色んな楽器が鳴ってるのを立体的に聴けば、もっと気持ちよく聴こえるよ」とか言ってくれて。それがアレンジに役立つんですよね。あと弾いてみる時も、絵に例えて音楽を聴けば、そこに足りないモノが見えたり。それは僕の中で革命でしたね。
■片寄さんとやれたのは大正解でしたね。
三浦:そうですね。ファンであり、すごく尊敬していた人に直々にプロデュースしてもらい、曲を一緒に考えたり。ミュージシャンとしての考え方とか、厳しさだったりを、言葉や佇まいから学ぶ事もあったし、すごく勉強になりましたね。
■またミックスを深沼さんが手がけてますが。
三浦:深沼さんは綿密な感じ。自分達のアイデアだけでは気づかなかった部分、例えば、この音を半音上げたら、もっと気持ちいいんじゃないかとか、そういう音楽的な。
■論理立てる理数系な感じで、音感を合わせるような?
三浦:そうですね。納得いくように説明してくれるんですよね。ミックスも綿密に、僕らが気づかない所も丁寧にやってくれて。ミックス前の音と比べるとびっくりするくらい違って、全ての楽器が存在感あるような。片寄さんと深沼さんのコンビでできたのは、すごく貴重で、そこに自分が関われたのは、すごい事だと思います。
■そんな2人が手がけたバンドの音が悪かろうはずがないと思って聴いたら、やっぱりクオリティ高くて。
三浦:僕も一ミュージシャンとして、片寄さんと深沼さんとイーブンにぶつかり合えたアルバムになったと思いますね。
■単に任せるだけではなくですね。最後にacariを初めて聴く人にも伝わるように、acariの魅力を教えてください。
三浦:5人のメンバーがそれぞれの生き様を剥き出しにした振り切れたアルバムになってます。今、表現できる全てを詰め込んだ作品で、聴きやすくもあるんですけど深いモノもある作品になってますね。深いモノは自分のやりたい音楽だったりしますが、たくさんの人に聴いてもらいたい。そこは両立できたと思ってて、ずっと残るようなアルバムになったと思います。アルバム名の『プリズム』は、プリズムって透明の多面体なんですけど。僕ら5人で色んな面に色を塗って。僕が赤だと思った所にメンバーが青を塗って、それをひっくり返すと違う色に見えたりする。聴いた時に光が飛び出してるようなイメージですね。
Interview&Text : 田代 洋一
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