QUATTRO


国内屈指のライヴバンドによる音楽愛あふれた
全11曲。南南西から届いたのはココナッツ!

 05年、FUJI ROCK FES.出演。08年に2ndアルバム『Square The Circle』を発表。08年クーラ・シェイカー、09年にはオアシスの来日公演のオープニング・アクトを努める。またTHE BAWDIES、the brixton academy、the telephones、PILLS EMPIREとイベント『Kings』を興し話題をさらう。昨年11月リリースの『FOR A FEW DOLLARS MORE ep』に続き、待望の3rdアルバムが届く!

■気持ちよく聴かせてもらいました。リズムの感じとか変わりましたが、最近はどんなのを好きで聴いてます?
岩本:最近はウォッシュド・アウト、ダーティ・プロジェクターズとかですね。今は、ゆったりしたリズム、海っぽいというか、そういうリズムがいい感じですね。
■他のメンバーはどんなのを聴いてます?
岩本:ギターは今もストロークスを聴いてて。最近、オブ・モントリオールを俺が薦めたら、すごく好きになって聴いてるみたいです。ケイゾーはグランダディとか聴いてんじゃないかな? 真彦は相変わらずヒップホップ。バキバキのヒップホップじゃなくてデンジャー・マウスとか。カディオはAC/DCに行ったらしいですからね。レディー・ガガも聴いてるし、マイケル・ジャクソンが一番好きなんです。
■元々、バラバラだとは思ってましたが、これだけベクトルが違うとは(笑)。個人的に今作は、リズム面でマンチェな感じ。あとネオアコなギターとか窺えたんですが。
岩本:そういうニュアンスも含んでますね。レコーディングの最中、普段は全然参考にしないオレンジ・ジュースだったりを参考にしてみた曲もあるんで。
■その変化はなんですかね?
岩本:やる側が自分達に規制をかけて、1個の音楽ジャンルでやるみたいな、周りもそんなバンドが多くなってきたんで、もう少し広いキャパシティで、聴く人達に「こういう音楽もあるんだよ」って見せていかなきゃなって、前のEPの時から思い始めたんです。今回のレコーディングでは自分に無い感性をどれだけ補えるか?ってとこで、自分でできる事に、違うモノを上乗せすれば、よりいいモノができ上がるという考え方で作ったので。素材としてネオアコやビーチ・ボーイズだったりを。昔はヤードバーズは取り入れてもビーチ・ボーイズは取り入れてなかったんですけど、そういう感じが今回のアルバムにはある。
■2ndまでは60年代、70年代のロックって言えたのが、今回は年代では言えない。そのテイストもあるんですけど。
岩本:60年代、70年代のガレージ・バンドってカッコいいんですけど、限界があるんですよね。表現したい事ができない感じだったので。
■周りのバンドとかは、あるジャンルを突き詰めることが多いと思いますが、不安になったりしないですか?
岩本:うーん……色々、突き詰めてやった方が分かりやすいし。ライヴに来るお客さんもノリやすいだろうけど、音楽は簡単なモノじゃないと思うので。目に見えないアートなわけで、それが簡単になってしまうのはいかがなものか???自分の中でどうしても、音楽に対する気持ちに嘘はつけないので。そこを簡略化してマーケットに合わせる方法論は、俺はとれないなって。
■難儀な方を選んでも、やりたい事をやるのが一番だと。
岩本:そうですね。昔から、そうですけどね。
■アーティスト写真なんてオーガニックな、避暑地的な感じすらありますもんね。
岩本:避暑地的な感じですよね。真冬でしたけど。雪降ってました(笑)。
■1曲目はカッコいいギターリフだし、新しい感じもしますが、あのコーラスに全部持っていかれます(笑)。
岩本:コーラスはもちろんケイゾーです。さすがケイゾー(笑)。
■2曲目“Time Time Time”から“Fools”“134”の流れが完璧ですね。踊れる感じで。ここまでリズムに凝った事って、今まで無かった気もしますが。
岩本:前はアプローチがヤードバーズやビートルズだったりの手法のリズムの面白い部分でやってて。ルーツに近いリズムを使ってたのを、今回は90年代くらいまで戻ってきて、感覚的に面白ければ有りだなって考え方で。今までの感じにプラスαですけど、色んな事をやった結果、今までやってなかった感じになったのかなと。
■とは言え、5〜6曲目とかの緩やかな時間が流れるような感じもいいですね。
岩本:元々、そういう部分を持っているので。昔から「アルバムの5曲目」みたいな曲を書く方が得意なので。その1stの頃と同じ方法論でも、一歩前進した形を示せたらなって。
■1stの時点でブルースとかをちゃんと演ろうとしてましたね。あの歳で、そんなバンドいなかったと思いますが。
岩本:いなかったですね。ハタチくらいだったし、今は26なので、やっぱ人間成長するので、音楽も成長していかないとっていうのもありますしね。今回のレコーディングはプロデュースからミックスだったりと、俺はずっと付きっきりでいたんですが、前は感覚的に「色々やらなきゃ」でやってたのが、今回は自然と余裕を持ってできる部分が多くて。ただ気持ち的にも時間的にも余裕を持ち過ぎた結果、すごい事になってしまいました(笑)。
■あとはこのアルバムが、どう捉えられるかですね。
岩本:周りの友達やライヴハウスの店長とかに聴いてもらったら、今までに無いくらい好評なんですよ。the telephonesの石毛とか、俺らがこれを作ったから『Kings』をやるって言ってくれたし。元々『Kings』は、ちょっと休憩しようか?って話になっていたので。
■アルバム名はどんな意図で付けたんですか?
岩本:中学生でも分かる英語の文法で〈ココナッツ〉を使って、『THIS IS THE COCONUTS』か『IS THIS THE COCONUTS ?』か『WHERE IS THE COCONUTS ?』がいいか?
■その〈ココナッツ〉のこだわりは?
岩本:1曲目のタイトルにもあるし、ケイゾーもがんばってシャウトしてる〈ココナッツ〉を使わない手はないなと。で、結局『WHERE IS THE COCONUTS ?』になったのは、1曲目“Man is no more than coconut”が「人間はココナッツ以下である」って意味で、「人間は考える葦である」からきたんですけど。大きく言えば環境問題の話から個人の事まであって、俺達が使うココナッツって言葉には、人間の持ってる理性とか良心みたいなモノを含んでいるんですよ。人間自体、思ってるよりそんなに大層なモノじゃないっていう想いを込めてます。今回、重い歌詞が多くて。
■深い話ですね。そのココナッツを探してるんですね?
岩本:良心とか善の象徴であるココナッツを探す。それは音楽に於いて、簡略化してマーケットに合わせていく音楽じゃなくて、人間が感覚的に作り出すアートとしての音楽を自分達で探していくという。作り手も探していくし聴き手も探していく。
■なんかロマンチックな話ですね。今回、ツアーの数も全25本。遂に渋谷クアトロ・ワンマンも!これは全QUATTROファンが泣きますね(一同笑)。最後に、今作をどんなふうに聴いてほしいですか?
岩本:純粋に音楽に接してもらいたい。目を閉じて何かが浮かべば、それは素晴らしい音楽だって感じていただけたら。日本のマーケットは、ぶち上げる!みたいな曲が多いので。それだと目を閉じても、フェスでお客さんがワーってなってる情景しか浮かばないんですけど、音楽はそこで完結するもんじゃない。もっと人生に関わってくるモノだと信じているので。


Interview&Text : 田代 洋一



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