Pinky Piglets


バンド史上最強の7曲が詰まったミュージアム
新作『MUSIC RIPPLE』が大きく波打つ!!

  前作『HOPPING!!』から二年四ヶ月ぶりのミニ・アルバム・『MUSIC RIPPLE』を完成させたピンキーピグレッツ。おもちゃ箱をひっくり返したようなカラーやポップさがあったが、その土台を固めた上でよりシンプルで力強く、人生を丸ごと飲み込んだようなパワーソングを作り上げた今作。前身バンドから数えて12年の歴史の中でここが本当のスタートラインかもしれない。メンバー脱退から怯むことなく向上し続けた、今をVo. Asujaが語ってくれた。

■前作から二年四ヶ月振りとなりますが、この期間はバンドにとってどんな時間だったんでしょうか?
Asuja:曲はどんどん出来ていたので早くパッケージにしたいとは思ってたんですけど、その間に海外でライヴすることもできたし、いろんな経験を積んだ時間だったと思います。もちろん国内でもライヴはやってたんですけど……心の移り変わりというのもあったんですよ。人って変わっていくものだし、変われると思うし。だから、良い変化の時間だったと思います。
■心の移り変わりというのはどんなことがあってのことだったんですか?
Asuja:それまでは全部が楽しいし、元気百倍で、プラスなことばっかりを見てたし、そうしようと思ってたんです。それが一番だとも思ってたし。でも、すべてを笑って済ませられないことも出てくるし、もちろんメンバーと意見がぶつかることもある。曲作りに煮詰まることも当然あるわけだし、すべてがうまくいくわけではないってことに気付いたんですよね。だんだん現実が見えてきたから、そこからの葛藤だったり、迷いもこれからは曲にしようと思い始めてきて。今まではそういう部分を見ないように、見せないようにしてきたんですよ。そこはいらないって。でも、そういう部分もすべて曲にすることが今の私達なんだってことに気付いたんです。
■メンバー脱退というのも影響したんじゃないですか?
Asuja:そうですね。今は三人になっちゃいましたからね。でも、三人になった分、濃くなりましたよ。辞めてったメンバーのパワーも貰って、次に進まなきゃいけないわけだし。今回のアルバムに“夕暮れレコード”って曲を入れたんですけど、この曲はメンバーが抜ける時に作った曲で、さよならはやっぱり寂しいし、辛いんだけど。でも、それだけじゃなくて、「さよなら」には「ありがとう」の気持ちも入ってる。そこから前に進んでいければって。
■Asujaさんは三人になってのピンキーピグレッツをどう感じてますか?
Asuja:三人になったことによってお互いを支え合う気持ちが増してきてる。気持ちの上でもライヴをする上でもお互いがお互いを支え合って……だから三人のピンキーピグレッツも居心地がいいなって。楽しいですよ。
■この約二年間にそういう時間があったからこそ、今回の作品にはいろんな表情があるんだなって思いますよ。前作と比べても明らかに曲がいいし。
Asuja:いろんな経験しましたからね。実体験を曲にすることが多いんですけど、人生論っていうと人それぞれなんであれですけど、私達の人生論が詰まってると思うんです、今回の作品って。それをね、博物館とかミュージアムみたいなイメージでこういうジャケットにもなってるんですけど、リアルな今の私達を出そうとしたら、こうなりました。そんな感じです。
■“SUNDAY MORNING”とか“夕暮れレコード”はまさにそういう今のリアルさがあると思うんですよ。でも、歌詞でそこを出すのはもしかしたら簡単なのかもしれないし、メロウな曲を作ろうと思えばそうなるんでしょうけど、今のピンキーピグレッツはなによりもメロディーの良さがあると思うんですよ。そこに嘘がないのが良いなって。
Asuja:そうですね。メンバーそれぞれがいろんなことを感じてるんだと思います。ギターのジャラーンってひとつのコード弾くだけでも気持ちの部分で聴こえ方が変わってきてると思うし。今回はきっかけを作ってきたのが誰であってもピンキーピグレッツの曲として、全員が同じ気持ちでひとつの曲に向かっていったところも大きいと思うし、今までよりもやりたい方向っていうのが固まってきたんだと思うんですよ。ホント、濃厚になってる。
■結成12年で改めてやりたい方向が固まるというのはたしかに濃厚ですね。
Asaja:12年かぁ。意外と長くなっちゃいましたね(笑)。
■歴史ありますよ、12年って。
Asaja:昔作った曲は変な曲ばっかでしたけどね。〈私をジャングルに連れてって〉とか(笑)。
■あはははは。いや、おもしろいと思うけど(笑)。
Asaja:連れてってシリーズいっぱいありますよ。〈アメリカに連れてって〉とか〈ハワイに連れてって〉とか(笑)。
■欲望の固まりですね(笑)。
Asaja:ホントだ(笑)。昔の曲はアレンジ変えて今も演ってたりしますけど、気持ちは忘れずにいきたいですね。
■変な意味じゃなくて今って正統派なバンドになってますよね。こないだライヴ観てても思ったし、曲ひとつ取ってもそうだし。
Asaja:ああ。自分でいうのもなんですけど、音だけで勝負していきたいんですよね。よりリアルな音を出していきたい。まだトライ中ではあるんですけど。
■気持ちの変化と共にミュージシャンとして音でどうやってリスナーと繋がっていけるかってことも考えたんでしょうね。
Asuja:考えてますね。人と人とのコミュニケーションって考えたら音楽の力がものすごく大きいわけですし。ストリートでライヴやってても知らない人が足を止めて、手を叩いてくれるって、すごいことなんですよね。自分達が良いと思ってるものだけを出すのも違うし、求められるところも考えながらやっていかなきゃいけないですし。経験って大事ですね。
■今までのピンキーピグレッツらしさっていうのも当然きちんとあって、“YOU&I”とか“PLAY”とか。そこも再生できる自信もちゃんとあるし、このアルバムがピンキーピグレッツの新たなスタートになってると思いますよ。
Asuja:いろんな曲調が入れられましたからね。博物館やミュージアムのような、いろんなものが詰まってる今を出せたのは本当に良かったです。これを形にできたのは良かった。レコーディングを思い返しても楽しかったし。成長したと思います、メンバーそれぞれ。ライヴでも音源でもそうですけど、ただのギャルバンじゃなかったって感じてもらわなきゃね。「こう出たか」って思わせたいですよ。
■そういうところも感じます?
Asuja:今までは女の子バンドっていうことを自分達があまり考えてなかったけど、そういうしがらみも確かにあるんですよね。でも、だったら女がやる、このガッツリさをどう出してやろうかって。「へ〜、意外とやるんだ、このバンド」って思わせなきゃね。


Interview&Text : 松木美歩



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