QUATTRO


数々のUKロックバンドと同じステージに立ち
新次元に突入した、クアトロのロックンロール!

 60〜70年代のロックをベースとした音楽性で登場した彼ら。05年、FUJI ROCK FES.出演。08年にアルバム『Square The Circle』を発表。08年クーラ・シェイカー、09年にはオアシスの来日公演のオープニング・アクトを務める。またTHE BAWDIES、the brixton academy、the telephones、PILLS EMPIREとイベント〈Kings〉を興し、現在も継続中。今回、岩本と松坂に話を訊いた。

■新しいDrのカディオ君、加入の経緯は?
岩本:『Tequila 69』ってイベントにカディオのバンドが出てて、そこが最初の接点かな。それでスタジオに入ってみたら、すげぇアタックの強いヤツがやって来て(笑)。この見た目は捨てがたいなと。
松坂:やられると思った(笑)。俺の方が年上だけど。
■カディオ君は18歳かぁ、若いですね。僕もライヴを観て、QUATTROがますます外タレの域に達したかなと(笑)。
岩本:キャラ立ちハンパないっすからね。最近、ライヴでカディオとケイゾー・コールが多くて、俺の影が……(笑)。
■今作ですが、リリースは以前から予定してたんですか?
岩本:アルバムは作ろうって考えてたんですけど、ドラムの件とかもあって制作が遅れて。でも去年リリースしてから、曲の雰囲気とか、やりたい曲も変わってきたので、この辺で新しいドラムと俺らの方向性を示したいなと。
■今作は、カディオ君が叩いてるんですもんね。
岩本:そうそう、名刺代わりに出しておきたいなと。曲を書くペースも遅い方ではないんで、貯まった曲は出した方が健全ですし。で、作った感じですね。
■楽曲も演奏もキレ味があって、活きのいい4曲ですね。
岩本:ドラムのタイプが全く違うので、音も違う感じに、そのキレ味とかっていうのに出てると思うんですけど。
■全体的にソリッドな音の録り方をしてるのかなと。
岩本:元々、音像が頭の中にあって、それを表現するために作ったんじゃなくて、今あるモノを提示するって形です。それがソリッドな音になったって事だと思いますけど。
■前のアルバム『Square The Circle』はサイケデリックな面もあって、ちょっともっさりした感じもあったんですが、今回はもう少しカラッとした感じですね。やっぱりドラムの音からして違いますね。
岩本:今やりたい事はカディオのドラムがあってですね。何でもやりたいっていうか。前みたいに、一個のフォーマットに落とし込む、みたいな所ではなく。ふり幅として、もう少し色んなカラーを出すって意味ではカディオが合ってる。前みたいなアシッド・フォークもやりたいけど、ブリットポップみたいなのもやりたいし。前は60'sな所に落とし込んでた曲を、90年代とか2000年代に落とし込むっていう。
■音楽性の方向性として、松坂君はどうですか?
松坂:何でも有りじゃないですけど、2曲目“MAGIC J”のポップな感じとか、いいと思います。
■1曲目“JOY OF A TOY”も、こんなストレートな疾走感ある曲調で、岩本君のヴォーカルもアグレッシヴな感じも、そんな無かったかなと。
岩本:そうですね。生活してると怒る事もあれば笑う事もあるし、単純に音楽って楽しいよねって、それも全部表現できたらなって。だから歌い方も、俺の歌い方はこうだけど、みんなが期待してる歌い方はこうだよって意識すると、自分に枷をかけている事になると思うので、それは全部取っ払ってやったんです。だから俺のこの歌い方を良いと言う人もいるだろうし、あまり好きじゃない人もいるだろうし。そういうのも全部取っ払って表現していくっていうか。
■1、2曲目は音が結構厚いのもあって、ライヴ映えしそうですが、声を張って歌わないと埋もれそうですもんね。3曲目“QUESTION#7”は、カントリーチックな曲ですね。でも元々、こういう要素は昔から持ってましたよね?
岩本:完全に持ってましたね。
■松坂君はカントリーとか聴きますか?
松坂:カントリーは好きですけど、何を聴いていいのか、教えてほしいのに、なかなかCDを貸してくれないんで。
岩本:(笑)カントリーは売れないから、買って貢献しろって事だよ。
松坂:ブルーグラスとか、ああいう感じが好きです。バンジョーとか……バンジョーが欲しいです。
■誰かに買ってもらって下さい(笑)。しかもこの曲、途中で一旦終わって、西部劇みたいなのが入ってるんですけど、あれは何なんですか?
岩本:今回のEPで一番聴いてほしいとこですね(笑)。普通に4曲あるより、カラーを付けたくて。“MAGIC J”みたいな曲、カントリーな曲、西部劇みたいな曲、その次に“HEY”がきてっていう、バリエーションがある感じ。だけど分かりづらい部分を補充するSE的な存在ですね。
■“HEY”ですが、今回、録り直そうと思ったのは?
岩本:前の“HEY”(会場限定シングル『13/07/2007』収録)は、照沼と松坂と真彦の3人が入りたての頃に録ったやつで。ライヴの感覚が身体に無い中で録ったので、自分達がライヴで感じてきたグルーヴを、ちゃんとした形で録り直した感じです。
■確かにその都度、ライヴでも変わりますしね。この曲もまた名刺代わりっていうか、代表曲ですもんね。
岩本:一応、そうですね(笑)。まぁ一人歩きしてる感はありますけど。そういうもんだと思います。
■キャッチーで覚えやすいですからね。
岩本:曲を書いてる側にしたら、一番新しい曲が代表曲ですからね。でもきっと“HEY”が代表曲だと思います。
■タイトル『FOR A FEW DOLLARS MORE』は、どういう意図で付けたんですか?
岩本:最初『夕陽のガンマン』にしたかったんですけど、ここにきていきなり日本語かよっていうのもあって。『夕陽のガンマン』の原題が『FOR A FEW DOLLERS MORE』なんですよ。「小銭のために」って意味で、その下衆な感じが、なかなかいい感じのタイトルなので。マジ西部劇っていうよりマカロニ・ウエスタンみたいな、時代感が無い感じ。バラバラな曲の感じとか、上手い具合に繋がるかなと。
■ジャケットもそんな感じで、これキングコング?
岩本:謎の大猿ですね。でも西部劇にはSFのデカい猿は出てこないし、ヒッピーは走って逃げないし、カントリー・バンドはいないし。時代感が分からないという。
■ちゃんとメンバーも入ってますね。7インチ・サイズのジャケットも、らしくていいと思います。
岩本:中はCDですが、最近、置いてくれないですから。
■ざっくりした質問ですが、最近どんな音楽聴いてます?
岩本:昔から雑食ですけど。最近は、ヴァンパイア・ウィークエンドとモータウンのベストを交互に聴いてますね。
松坂:元々は60年代のバンドとかが好きなんですけど、最近だと、ジュリアンのアルバムが楽しみ。あとアークティック・モンキーズの新しいのが好きです。
■最後にQUATTROの魅力を客観的に述べて下さい。
松坂:俺は元々メンバーじゃなくてファンだったんで、その時に思ってたのは、何っぽくもないっていうか、QUATTROはQUATTROだなってところ。
岩本:客観的な意見じゃないですけど、俺らがこう思って、この曲を作ったんで、みんなに聴いてほしいとかって感じはなくて、単純に俺の思ってる事をやりたい放題やって、聴いた人達が「音楽って、自分が思ってるより楽しいんだろうな」とかって感じてくれる事をやってるつもりなので、それが魅力じゃないですかね。


Interview&Text : 田代 洋一