wilberry


今年、奇跡の復活を果たしたウィルベリー!
新しい季節に、タンバリンに合わせ踊れ


 wilberryの結成は94年。96年に5人編成となり活動を展開。98年にポリドール(現ユニバーサル)よりメジャー・デビュー。洋楽テイスト溢れる音楽性とルックス、活動姿勢含め、彼らの登場は衝撃的だった。その後、ミニアルバム4枚、フルアルバム1枚をリリースし、01年に解散する。昨年、奇跡的な復活を果たす。現メンバーはジョウミチヲ(Vo)、永見泰也(Gt)、衣川正一(B)、宮川裕年(Dr)の4人。今回、12/7に下北沢CLUB Queにて約9年ぶりのワンマンライヴを行う。 http://wilberry.net/

■ライブでは既に演ってますが、新曲を音源にして売るようですね。
ジョウ:そうですね。自分らで作ってという感じになると思うんですけど。
■12月7日の下北沢CLUB Queのワンマンがありますが。
ジョウ:はい。楽しみです。
■08年1月に復活したわけですが、遡ってお訊きします。そもそもwilberryは解散してたんですよね?
ジョウ:そうですね。完全に解散ですね。2001年春ぐらいですね。
■その解散の理由は?
ジョウ:ん?、やっぱちょっと作品作りに行き詰まってる部分もあって。正直、メンバー間の関係も最悪の時期だったんですよ。ぶっちゃけ、あまり仲良くない感じで(笑)。続けていくのも、結構辛くて……解散したこと自体は後悔してないです。あの時点では続けることが不可能だったから。
■当時の音楽シーン的に画期的なバンドで、期待されていたwilberryだったと思いましたが、当然、その自負はありましたよね?
ジョウ:それは、ありましたね。
■それでも解散するに及ぶってことは、よっぽどバンドとして機能してなかったと。
ジョウ:そうですね。自負はあったけれど、最後のアルバムとかもすごい気に入ってて。その時、ドラムは宮ちゃん(宮川)じゃなくて、違うサポートのブリテン君に叩いてもらったアルバムで、自信あったんだけど、正直なところ、バンドとして続けるのはとても無理な感じだったですね。
■当時も今も、バンドのイニシアチブはジョウさんが握ってるんですよね?
ジョウ:そうですね。今の方がより強いかな。前はもう少し分散してたとこもあるけど。
■結果的に、ジョウさんが解散も決めたんですね。
ジョウ:まぁ、そうですね。ちょっとやれないなと思った時「辞めるわ」みたいな話をして。それで解散って形。もちろん話し合いは、ちゃんとしたけど。
■その後それぞれ各自活動を始めるわけですが、ジョウさんはDUSKをやって、他の3人はMARSEESIDE DERBYで。
ジョウ:そうですね。
■wilberryの再結成。皆さんが再び出会うのは、僕的にはあまりにも個人的なことなんで恐縮なんですけど、きっかけがあれば、やってもいいかなと思ってたんですか?
ジョウ:いや、思ってなかったんですね。ほんと、たまたま田代さんの440のパーティーで、歌ってほしいって言ってもらって。最初、1人でやってほしいみたいなことを言われた気がするんですけど、他にどんな人達が出るのか気になるじゃないですか。それを訊いたら、結構、錚々たる人達もいて。その中で俺1人でやるとなんか寂しいなと思って。近藤(智洋)さんとか、確か1人でやったと思うんですけど、その中で負けない何かをと。せっかくの特別な夜なんで、特別なことをやりたいなと思ったんで。それで、元々、ベースの衣ちゃん(衣川)とは結構、連絡とってたんで。じゃあ、衣ちゃんと2人でwilberryの曲を演ったら、2人が喜ぶかなぁと思って。「こういう経緯で440でパーティーあるんだけど、衣ちゃんベース弾いてよ」って感じですね。
■それまでに衣川さんと何か演ったことはあったんですか?
ジョウ:なかったんですけど、衣ちゃんと久しぶりにやるのもいいな。wilberryの曲やったら面白そうだなと思って。で、なんとなく「あの2人も誘ったらやるかな?」って衣ちゃんに訊いたら、「やると思うよ」って返事が返ってきて。実は意外だったんです。あとの2人とは連絡ほとんど取ってなかったんで。けどまぁ、2人だけで演るのもなんとなく悪いというか。他の2人はあまりいい気分じゃないだろうし。でも衣ちゃんが「やるんじゃないかな」みたいなことを言ったんで「じゃあ、ちょっと2人に聞いてみてよ」ってなって。それで4人でやることになったという。
■数年ぶりにスタジオに入ったんですよね?
ジョウ:そうですね。7年ぶりくらいですね。
■久しぶりに演ってみて、どうでした?
ジョウ:想像してなかったんですけど、やっぱ楽しかったんですよ。確かパーティーの前に2、3回しか入んなかったですけど。昔の曲だし、全員現役で音楽演ってるから、そんなに何回も入らなくてもいいだろうって。最初から楽しくて「あぁ、これだなぁ」って思った。なんかそんな話、よく聞くじゃないですか、雑誌とかのインタビューで。「久しぶりにメンバーとやったら、やっぱこれだ!と思った」って。ほんとにあるんだって(笑)。
■それで復活したんですけど、では正式に活動を始めてみようかって、誰が言ったんですか?
ジョウ:それは、俺。詳しく言うと、あのパーティーの夜ですね。パーティーが終わって、440の楽屋で俺と衣ちゃん2人になって「なんか寂しいね」とかいう話になって。直感で衣ちゃんはもっとやりたいんだろうなって、俺には見えて。俺も実際そうだったし。で、「ちょっとやってみる?」みたいな感じで話してて、宮ちゃんは早めに帰っちゃったけど、すぐに永見を楽屋に呼んで話したら、あいつも「じゃあ、やろっか」って感じで。だからすべてはあの夜ですね。
■07年に再始動を決めて、復活ライヴは2008年の1月25日ですね。
ジョウ:ほんと偶然なんだけど、ちょうど7年前の1月25日がラストライブだったんですよ。渋谷CLUB QUATTROで、BUGY CRAXONEとかとやったんだけど。たまたま下北沢CLUB Queの1月のブッキング状況を聞いたら「1月25日ならあるよ」って。「おぉ、同じ日」だって思った。
■驚いたのが、復活して一発目のライブでもう新曲を演ってましたね。
ジョウ:そうですね。やっぱ新曲やんないと、懐メロバンドになっちゃうんで。
■それはでも意外だったんですけど。
ジョウ:そうですか。それは結構、観に来た人に言われましたね。THE Turtlesの松ちゃんとか、THE BEACHESのヒサシ君とかに。ヒサシ君は「新曲が一番よかったな」って(笑)。でも新曲演らないと、確か3曲演ったと思うんですけど、もっと演りたかったんですけどね。半分くらいを新曲にしたかったんだけど。
■明らかに「やります」っていう宣言で、その意識を出したかったんですかね。
ジョウ:そうですね。あとせっかくスタジオ入るんだから、新しい曲演らないと。
■すぐにジョウさんが書いたんですか?
ジョウ:そうですね。あと衣ちゃんも結構ネタを持ってたんで。一緒にスタジオで合わせたりして、まとめて。今度出すCDの2曲目のスローな方は、衣ちゃんがメロディの7割ぐらいは作ってて、詞は俺だけど。最後の方のミニアルバム2枚とかもそういう作りなんですよ。
■MARSEESIDE DERBYは、永見さんが主導のバンドだと思いますが、永見さんは曲は書かないんですか?
ジョウ:持ってこないですね。
■ではwilberryが終わった時点の流れがそのまま続いてるんですね。
ジョウ:そうですね。俺が1人で作る曲が半分くらいある感じですね。
■じゃあ、自然な感じでやれてます。
ジョウ:そうですね。家ではあまり作り込まないで、後はスタジオで合わせて、俺は歌ってみたいな形ですね。
■復活ライヴの日は、浜下さんも広島からゲスト参加しましたが、声をかけた時、彼女はなんて言ってました?
ジョウ:すごく驚いてましたね。実は去年の11月ぐらいに、わざわざ話だけしに出て来てくれたんですよ。うちらやるけど、どうするみたいな話をして。でも、広島にいるから、無理にこっちに出てこいって言うのも違うんで、一応、報告みたいな感じで。5人でご飯食べて。その時に、4人でやっていこうってことになったんですよ。で、ライヴが決まったら「1月の25日、週末だから私観に行く」って言ってきたから「いやいや、観に来るなら何曲か演りなよ」みたいな話になって。当日、2曲だけリハ演って。
■あれは感動的でよかったですね。僕も一応、リアルタイムで2回ほどライブを観てたので。
ジョウ:それが嬉しかったですね。どこで観たんですか?
■下北沢CLUB Queです。2000年くらい。当時と今と周りの状況も変わって、皆さんも経験を積んで、歳もとったわけで。色々と変わったと思いますが、実感として、wilberryの変わった所と、変わってない所を教えて下さい。
ジョウ:難しいな……何だろう?変わった所あるかなぁ。俺自身で言うと、あまり昔と同じことをやりたくない。特に音楽的に。「昔のwilberryと変わってないね」って言われるとあまり嬉しくない。音楽的に変わってきたねって言われる方が嬉しいので。だからやってるわけじゃないけど。ちょっと違う感じの音楽に手を出せていけたらなって思ってるんですけど。もっとポップなモノとかも作りたいし。結構、当時は「洋楽っぽいね」って言われてたんですよ。最初はそれでいいかなって思ったんですけど、やっぱり日本人なわけだから。
■歌詞に関して言えば、新しい曲は日本語ですね。
ジョウ:まぁ今度出すCDの1曲目は英語ですけど。昔に比べて、あまり曲のジャンルというかにこだわりが無いんで。そういう所が変わってきてるなって思うし、これからもっと変わっていきたいですけど。変わってない部分は……変わってないことの方が多いはずなんだけど。
■色んな経験を積んだ分、あと4人で演るのも変わった部分だと思いますが。昔の楽曲もキーボードが無くても、ライブで聴いても特に遜色無いですし。
ジョウ:だといいんですけどね。そこがちょっと難しい部分ですけどね。アレンジをある程度、考え直さなきゃいけない。その辺は永見が苦労してると思うんですけど。俺ももう歌に専念したいんで。最初の2、3回はアコギを少し弾いてましたけど、なるべく歌に集中したいですね。
■それぞれのスキルを、お互いに委ね合って、補強し合ってやってる4人なのかなって思います。
ジョウ:そうですね。やっぱ楽器が1つ足りない分、そうやっていかないと音楽自体がなかなか成り立たないのもあるし。
■それは解散した時から考えると、結構な変化ですよね。
ジョウ:よっぽどですね(笑)。確かに支え合ってはいますね。
■大人になったんですかね。
ジョウ:でも、年齢的には元から大人だったはずですけどね。
■メジャー・デビュー云々とか、時代の空気感とかもあったりするんですかね。
ジョウ:今思えばそうかもしれないですね。やっぱり周りの人がいっぱいいると。今は当然少ないわけで、動き方とかもだいぶ違いますからね。基本的に自分らだけでやんなきゃいけないわけで。
■昔はレコード会社、事務所もあったわけですからね。とは言え、wilberryの変わらない魅力として、今でも通用する楽曲と歌の普遍性だと思うんですよ。改めて全部聴き直したんですけど、やっぱ曲、メロディ、歌が素晴らしい。
ジョウ:確かに昔の曲を演ってても恥ずかしくないですね。
■色んな見方ができるんですけど、UK ROCKシーンと照らし合わせたり、ギターポップな側面だったり、色んな要素がありつつもwilberryでしかない楽曲ですよね。だから復活したとも言えるのかなと。これを眠らせておくのはもったいないというか。曲は残るとは言え、広める人がいないと。
ジョウ:作りは相当真剣に作ってるんで。1曲作るのに時間もかかるし。これでも今は昔よりは早いですけど。結構、根詰めてアレンジするので、どうしても時間かかっちゃうんです。
■それぞれ個性ある4人じゃないですか。個性があったから、いい時もあっただろうし、解散にも至ったと思うんですけど、やっぱアレンジする時とか色々と紆余曲折あるんですか。
ジョウ:アレンジは全員で演ってるんで、未だになかなか大変ですね。すごく楽しいんですけどね。
■特に不穏な空気になったりとかは無く?
ジョウ:不穏な空気になるのは別にないですけどね。アレンジが上手くいかなくて、困ったなっていうことはありますけど。ネタ自体、曲も結構あるんで「ちょっと置いといて、違う曲やろうか」みたいなふうにもできるし。
■活動自体は、どちらかと言えば緩やかな活動ですかね。
ジョウ:今のところ、そうですね。もっとやりたいんですけど、とりあえずは月1、2本のペースでやって。あとは曲を作って、来年は絶対リリースをしたいとは思ってるんですけど。
■何かしら、アルバムを?
ジョウ:そうですね。ほんとは今年出すつもりだったんですけどね。なかなか、思ったよりスピードが出なかったんで。
■久しぶりのワンマンが12月にありますが、何年ぶりでしたっけ?
ジョウ:んー、2000年にやってるとは思うんで、だから8年ぶりですね。
■その日はもう、今までの集大成的な?
ジョウ:そうですね。復活してちょうど1年くらいになるので。新しい曲もやりつつ、今まで演ってない昔の曲にも手を出してやろうかなと思ってるんで。意外、昔の曲歌えるんですよね。
■歌ってほしいですね。
ジョウ:今んところ、なかなか応えられてないんですけど。
■ワンマンくらいじゃなきゃ、できない曲もあるでしょうしね。
ジョウ:そうですね。ステージの時間が短いとどうしても新しい曲を優先してしまうんで。でもワンマンだから。復活してから演ってない曲も2〜3曲は演れると思うんですけど。
■ここ1、2年、また洋楽っぽいバンドが盛り上がってるんですけど、その一つ上の世代のバンドとしてwilberryが先輩分的な見方をされてもいいと思ってるんですけどね。そうすれば山が動くかもしれない。
ジョウ:動かさないと(笑)。
■若い子でも絶対、分かる人はいると思うんですよ。
ジョウ:やっぱ洋楽テイストみたいなのは、新しい曲でも感じてもらえてますか?
■ええ。そこはセンスが肝じゃないですか。wilberryはもうそれが予め出ちゃってるっていう。
ジョウ:でも洋楽っぽいの作ろうとか意識はしてないんですよ。日本っぽくてもいいと思ってるぐらいなんで。にも関わらず、やっぱそうなるんですよね。
■DUSKよりも感じますね。
ジョウ:そうですか。その辺は、他の3人の影響があると思うんですよ。バンドだから。
■ジョウさんもwilberryがそういう感じになるのは、それでいいと思ってるんですね。
ジョウ:むしろそれはいいですね。それがやっぱwilberryだと思うし、別に俺1人のバンドではないので。
■ゆっくりな活動とは言え、ライブの度に新鮮な部分も感じられます。新曲も、それぞれタイプが違いますし。
ジョウ:そうですか。それはいいですね。
■ジャンルとかも関係無くと言ってましたけど。最終的にどんなのをやりたいんですか?
ジョウ:どういう音楽をやりたいとかは無いですね。色んなのをやりたいし。ただ昔と違って歌詞に関しては、つまんないことは歌いたくないですね。昔のwilberryの歌詞に関してはちょっと甘かったですね。
■まぁ若かったわけですし。
ジョウ:そうですね。まぁでも曲はもう世に出ちゃってるわけだから、バンドだけのものではないので。
■今は新しいのを作るという心意気がすごく感じられますし。
ジョウ:それよく言われるんですけど、当然だと思ってるんですけどね。

Interview&Text : 田代 洋一