fly sleep fly


ハートを直撃する激エモーショナルナンバー
ダイナミックに静寂を打ち砕くセカンド発売

 めきめきと頭角を現してきたエモーショナルロックバンドfly sleep flyが早くもセカンドミニアルバム『AGAINST the WORLD』を発売した。全6曲に散りばめられた人生におけるさまざまな愛の形。それは哀しくも喜びに満ちた愛の形。メロディーは耳から心へと駆け巡り、鼓動と感情を高めていく全6曲。まだこれからのバンドだが、決して一方通行のバンドではない。純音楽愛がユーザーと混ざり合う日がきた時、このバンドは大きく飛躍するはずだ。NuTzとyUsUkeに訊く。

■先日、久しぶりにライヴを拝見しましたが、ライヴ自体はすごく良くなってますね。ナツちゃんのMCがたどたどしくて、妙に愛くるしかったけど(笑)。
yUsUke: そうなんですよね(笑)。MCもステージングも含めて、今まで決め込んでやってなかったから、意識改革してるところで。ライヴ一本を作品として観た時に、意味のないMCを入れてしまうと次に繋がらなかったりするので、以前よりはだいぶ考えるようにはなりました。まぁ、それが実践としてできてないんですけどね(笑)。
NuTz:できてませんね……。
■場数踏んでなんぼなんでしょうけどね。
yUsUke:いいこと言ってるのに噛むからね(笑)。
NuTz:そうなんですよね……マジメなこと言いたいのに、大事なとこで噛んじゃうから笑いになっちゃうんです。
■せっかくカッコいいライヴやってるのにね(笑)。あれがシャープになるともっといい空間になると思いますよ。
yUsUke:そこは大きな課題にしてます。
■バンドとしてのビジョンはどこに向かってるんですか?
yUsUke:やっぱり、ライヴを基本にしたいですね。そこは変わらないです。音源を作って、出来上がった時に自分達でも自信の持てる作品ができると思ってて。で、CDを買って、聴いてくれた人がライヴにも来てくれた時に「CDは良かったのに……」って思われたらくやしいし、それって、ボクらが目指すとこではないんですよ。今年の8、9月のライヴで自分達が課題がかなり見えてきたから、さっきのMCの話じゃないですけど、ステージングひとつからバンドとして、5人で音を出すこと。根本的なところから、ひとつひとつ変えていけば、確実にお客さんの反応として還ってくるんだって。それがまたボクらの自信に変わっていくし。あと、いまはもっとっもっと曲を成長させて、ライヴで届くものにしないといけないですね。目先のところでいえば、まずはそこですね。
■ナツちゃんは、ボーカリストとしてどう感じてますか?
NuTz:音源作ってる時もライヴで再現できるようにって、考えてるんですけど、ライヴだからこそ伝わるものってあるじゃないですか? まずは、曲を成長させなきゃお客さんにも届かないし、ライヴの空間だからこそ伝わる感情っていうのもあると思うし。どっちも大事だけど、さっきyUsUkeさんが言ったように、根本ひとつ変えていけば、きっと一歩進んだところにいけるんじゃないかって。わたしが歌うことでなにかが動き出せばって思います。曲間でお客さんを惹きつけられるようなパフォーマンスをボーカルとしても身につけていきたいし。そこが少しずつだけど、出せてる最中だと思います。
■では、発売されたミニアルバムについてお伺いしていきますが、前の取材で「広く浅くではなくて、狭く深く追求していきたい」っておっしゃってましたが、その探究心が今作に大きく反映されてますよね。エモーショナルな部分がより強くなっているし、なによりも聴きやすさというか、キャッチーさも出てきてる。
yUsUke:今回の作品って、ファーストを出す以前から演っていた曲と、ファーストを出してツアーを廻ったあとに書き下ろした曲とがあるんですけど……。
■ちなみに今回書き下ろしたのはどの曲ですか?
NuTz:頭の二曲です。“AGAINST the WORLD”と“set me free”です。
yUsUke:で、以前からあった曲に関しては、ライヴで演ってるからこそバンド感とライヴ感があると思うんですね。でも、悪い意味ではなく、やりたいことに固執しちゃってる感じがしてて。反面でツアーから戻ってきたあとに書いた曲って、自分達の音楽を聴いてくれてる人達の顔が浮かんでて、地方行った時のレスポンスだったり、「こんな風に感じてくれてるんだ」ってことがダイレクトに伝わっていて。それが曲にも反映してるんですよね。だから、いまは狭く深くだけではなく、それだけでは伝わらない部分のもどかしさを解消できてると思う。自分達のシーンはしっかり持ちながら、間口を広げられたというか。
■それがキャッチーさになったってことですか?
yUsUke:誰もがいいと感じる曲をやるってわけではないけど、できる中でのキャッチーさ……ですね。
■fly sleep flyだからこそできることっていうのは?
yUsUke:fly sleep flyが出す音だからこそって言う方が正しいのかもしれない。このバンドが出す音楽が人の心に届くこと。ボク達ができることの中で、より届く音楽を作曲からレコーディングまで意識をして作ったので、これも深い探究心なのかもしれませんけどね。
■そうですね。どういう方法で、どんなメロディーが人の心に、エモーショナルに届くのかとこまで考えてるんじゃないかって思うぐらいに、この6曲は感情が揺さぶられるんですよ。たとえば、“Kick&Scream!!!!!”でひとつの音をできるだけ長く伸ばす、いわゆるロングトーンを採用してみたり、方法論をすごく考えてると思うんです。「伝わるってどういうことだろう」という探究心。
yUsUke:そうですね。でもね、それができたからといっても、どうやれば胸に届くかなんてわかんないし、答えはないんですよ。それでも自分が音楽を聴いてる時に感じるもの。胸に届く音楽を作るしかないというか。いまはその方法論でしかないですからね。リスナーみんなが同じ気持ちではないと思うけど、自己満足だけでは終わらない、一歩前に出る音楽ができていればって。そう思ってます。それは一曲一曲においての今後の課題でもあるし、今回の作品でも意識したところですね。その意識がメロディーや歌詞に出てるんじゃないかなって。
■ちゃんと客観視するというか、よりユーザーとしての視点でfly sleep flyを観ることができてるんでしょうね。
yUsUke:そうですね。いやらしい意味ではないですけど、曲を聴いた時に届いてほしいという意味でのユーザー目線はちゃんと持ってますね。
■ナツちゃんの歌詞もそうですか?
NuTz:今までは自分のために書いてたことが大きかったんですけど、ツアーでお客さんが口ずさんでるのを見た時に、英詩だからどこまで伝わってるのかはわからないけど、聴いてくれてる人やいろんな人との出会いが今回の作品で歌詞の内容にも反映していったと思います。経験したことによって、出てくる言葉は変わってきますからね。そこは前作と変わったところだと思います。
■日本語の曲も作ってるんですよね? その曲が日の目を見ることを待っていますよ。
NuTz:どうでしょうね(笑)。少しずついろんな方向で考えていきたいとは思ってますが……いまはどうなるか、まだわからないですね(笑)。

 

Interview&Text : 松木美歩