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聴き込むほど過激に響くセカンドシングル
素晴らしきメロディーと叩き上げのバンド論。
バンド・シーンで一際、異彩を放つNaifu。緻密に計算されたかのようなメロディー。メンバーそれぞれの声質を活かすことで、曲ごとに別世界を作る無限自在のグルーヴ。あくまでもNaifuというバンドのために集結した4人。ストイックに叩き上げられた、彼らが生み出す音楽的総括。11月19日に発売されるセカンドシングル『Mysterious』は脳内をリフレインする優れたメロディーを持つ傑作。じつにタフなバンドと出会うきっかけとなった一曲だ。
■今年4月にインディーズデビュー、間髪あけずにメジャーデビューとNaifuにとって目まぐるしい一年ですよね。
志音:とにかく忙しい時間を過ごしてますね。制作がずっと続いてる感じ。休むヒマもないし、休みたくもないんですけど、とにかく音楽三昧な日々がインディーズデビューから続いてます。仕事に打ち込める時間が増えてきたので余計なフラストレーションがなくなってる。「この曲はいつどうなるんだよ?」って不安もなくなったし、間髪入れずに次の企画がどんどん出てくるし、前にどんどん向かっていけてる。辛いことは当然あるけど、逆に辛さも楽しんでるんじゃないかなって思えるぐらいで。
村上:シングルにタイアップがついてきたり、Naifuを知ってもらう機会がずいぶんと増えてきてて。友達ではなく、一般ユーザーからの反応が増えてるから「やっとここまできた」って感じではありますね。
志音:あとは、前向きな気持ちとは裏腹に飲みに行ったり、友達の店にふらっと遊びに行くこともできなくなってる。でも、周りが応援してくれるおかげで、それをパワーに変えてがんばれてるので、いまがんばらないとね。支えてくれてる友達が困ってる時に、手を差し伸べられないような状態にはなりたくないですから。
■いきなりいい話ですね(笑)。では、バンドについて、もう少しお伺いしますが、Naifuはメンバー全員がボーカルを取るんですよね? コーラスってわけじゃなくて、「全員がメインで歌う」って、なかなかないと思うんですが、全員が歌えるからってだけのことですか?
志音:楽曲っていろんなタイプがあると思うんですけど、Naifuはとにかくいい楽曲を作りたいと思ってるんです。シンプルな話ですけど、いい楽曲を作るためには妥協しない。それは歌に関しても比例することで、メンバー4人の声質を使えば、ジャッジが4パターンできるってことなんですよ。そこでの奪い合いもないし、曲に合う声や表現力で最善を尽くしたいから。これはNaifuというバンドの最大の強みだと思います。
■そこに気づけたことが大きいんじゃないですか? そういう発想にはなかなかならないんじゃないかな。
志音:そうかもしれないですね。ボクらはバンドのしがらみってやつが好きじゃないんですよ。ボクと荒神は長いことバンドやってるけど、バンドとしての一般論ってものにトラウマというか、傷があったりもして。そのスタイルがキライってわけじゃないけど、Naifuに関しては違った形で結成されてるし。ボクらは純粋に音楽をやりたくて、音楽が好きなだけなので、当たり前のフォーマットに基づく必要がないというか。
荒神:バンドマン独特のクサさってものは、Naifuに必要ないんですよ。極端な話ですけど、仲良くならなければケンカすることもないわけだし。
■メンバー同士でなあなあにならないってことですか?
荒神:そうですね。この4人は音楽だけでしか繋がってないからプライベートで何やってるかも知らないし、飲みに行ったりもしないし、携帯の番号も知らないし。
■芸人さんみたいだな。すごくストイックですね。
志音:それぐらい徹底して組んだバンドですからね。バンドやってる人って人生かけてると思うんですよ。だったらそれぐらい徹底しないと。だって仕事でしょ? 一緒に飲んで愚痴を言い合ってても仕方ないんで、そんなことしてるヒマがあれば、いい音楽作ることに時間を使いたい。この形態が取れたのは周りのスタッフのおかげだけど、その分すごくストイックだと思いますよ。音楽のみですから。
■ちゃんと客観的に自分達を見てるんでしょうね。
志音:そうそう。なんか、今日はいつもと違う話ができててるな。いい感じです。
■アンダーグラウンドで生きてきた人達がNaifuというバンドを組んだことにすごく興味が湧いてますからね。。
志音:ありがとうございます。
■では、今回のシングル『Mysterious』についてもお伺いします。さっきの話にも繋がるかと思うんですが、確信犯的なメロディーを作る人達ですよね。一回聴いただけで、サビが耳に残る。ポップというものをすごくよく理解してるんだなってこの曲を聴いて感じました。
志音:クリエイターとして、メロディーの勉強もしますからね。勉強といっても理論ではなくて、今まで聴いてきていいメロディーと思うもの。やっぱり、メロディーのあるものが好きだし、「どうして、このメロディーが好きなんだろう」ってことを考えるんですよ。「コードはこうなのに、なんで音符がここにあるんだろう」とか。ソングライターとして、科学者的に研究する。それは性格なんだろうけど、それが活かされてるんだと思う。でも、確信犯だと言ってもらえるのは嬉しいけど、自分は確信してませんからね。今まで聴いてきたたくさんのメロディーを頭の中でジューサーのように噛み砕いて、できた荒削りの原石をうまく吐き出されてる。そんな感じなんじゃないですかね。
■サビを繰り返す時点でかなり緻密な作り方をしてるんじゃないかって思いますよ。
荒神:しかも転調してますからね。
■そうそう。大サビじゃないのに(笑)。
志音:印象に残るメロディーにしたいんですよ。『Misterious』に関しては、30パターンぐらい作ったんですけど……。
■一曲に30パターン!?
志音:それぐらいボクらは本気ですからね。だからアイディアもいっぱい出てくるし、妥協もできないわけですよ。30パターン並べて「ああでもない、こうでもない」って繰り返して。で、始めはサビも繰り返さないで、転調もしないでさらっとしてたんですよ。
村上:そうそう。Bメロからすぐサビにいってたよね? Bメロで盛り上げて、サビに向かおうとしてるのに、なんでそこで止める必要があるんだろうって。最終的にはそうなったんだけど、繰り返しも転調もないパターンが逆に物足りなくなっちゃって。
■大成功だと思う。あそこまで印象に残るんだから。
村上:よくも悪くも印象に残るのはいいことですからね。
■いやいや、もちろんいい印象ですよ?
志音:よかった(笑)。やっぱりメロディーは大切にしたいし、感情を揺さぶるものにしたいですからね。
■歌詞は荒神さんが書いて、自身でボーカルをとっていますが、アニメに合わせた内容なんですか? 妙にリンクしてるように感じましたが。
荒神:意識は全然してないんですよ。タイトルは始めから『Mysterious』って決めてたので、それに合う言葉を探していくじゃないですか? 言葉においてもミステリアスで謎解きしていくような内容にしたかったってだけで。結果的にはアニメの内容にかけ離れることなくできたからよかったんですけどね。
■シングルとしての存在感がきちんとある作品だと思います。アルバムも期待したいところですね。
志音:曲のストックはたくさんあるので、あとはタイミングでしょうね。いい状態をキープして、アルバムの制作にも進んでいければいいですね。
Interview&Text : 松木美歩
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