|
再びトリオ編成になっての14thアルバム!
改めて言おう「ロックってすばらしいもんだ」
世界最強のガールズ・ロックトリオ、少年ナイフ。ベースにRitsukoが加入し、オリジナル・ラインアップ以来、再びトリオ編成になったナイフの14thアルバムが届いた。もう何年もピュアにロックしているナイフ、最高だ!
■今月、Ritsukoさんが正式に加入されたようですが。
Naoko:06年の4月にサポート・ベースでRitsukoに頼んで、その後は何人かサポートをやってたんですけど、この度、Ritsukoにやってもらう事になりまして。
■トリオという形になったのは久しぶりですよね。
Naoko:98年にオリジナルBのみちえさんが辞めて、DrだったあつこがBに代わってから、私とあつこの2人とDrはサポートでやって。で、えっちゃん(Etsuko)がDrになって2ヵ月だけ3人になったんですけど、あつこがLAに引っ越したんで、えっちゃんと私だけでずっとやっていて、今回やっと3人になれた感じです。
■紆余曲折あったと。Ritsukoさん正式加入の決め手は?
Naoko:Ritsukoがナイフの事を好きだって気持ちが誰よりも強かったのが大きいです。好きで面白いと思わないと、やってて楽しくないと思って。ナイフの事は私よりも詳しくて「あの曲どのアルバムに入ってたっけ?」って聞くとサッと答えてくれる。歩くディクショナリー(笑)。
Ritsuko:学生の頃、少年ナイフが好きでバンドを始めたぐらいなので。すごく研究もしたし。自分の中ではその頃からすごくツボだったので。だから少年ナイフの事は気持ち悪いくらい知ってますね(笑)。
Naoko:C・J・ラモーンはラモーンズが好きでオーディション受けたので、すごく合っていたと思うし。ジューダス・プリーストのDrも子供の頃からジューダス・プリーストに入りたいって思っていたらしくて、このあいだライヴを見に行ったけどすごくカッコよかったし。
■今作は原点回帰的なアルバムという事ですが。
Naoko:このアルバムを表現する言葉は原点回帰かなと思って。今回のアルバムはノー・シンセサイザーでロックな感じにしようと決めていて、そういう構成でやろうと考えた後にRitsukoの加入も決まって、3ピースになった事と原点回帰って言葉が上手い具合に合致したんです。??さっきの話ですが、ジューダス・プリーストのライヴを見た時、あの人達は一番年上で60歳くらいの人がいるバンドでも、レザー・ジャケットとか着てパツパツの格好をして、ああいう音楽を演っているのはすごくロックだと思うんですね。そんな歳になっても鋲の付いた服を着て、なりきってやってるのがすごくカッコいい。そういうのを感じるのが好きなんです。で、自分達もそうやってお客さんを楽しくさせたいし、自分達も楽しくやりたいって気持ちがロックやと思うし、自分達で考えて自分達でやるのがいいと思う。
■それはまさに少年ナイフの事だと思いますよ。
Ritsuko:えっちゃんとか身体も小さいけど、いざスティック持ったらすごくロックな人になるし。私も普段は地味ですけど(笑)、少年ナイフのステージになったらロックになれるから、普通の女の子がロックになれるバンドですね。
■アルバム名でもある1曲目“Super Group”は、そんな素晴らしいロックバンドの事を歌ってますか?
Naoko:Super Groupって有名なバンドの人が集まって作ったバンドを言うんですけど、この歌詞を書いた時、何かのコンピレーションにダム・ヤンキースの曲が入っていて、80年代に流行ったバンドから集まってできたバンドの。その人達は楽器の達人で、すごいなと思ったんですけど、結局アルバム1枚を出しただけで解散しちゃったとレビューに書いてあって。やっぱり有名な人同士が集まったらみんな我が強いから、すぐ喧嘩になってやめちゃうんだなと(笑)。それもロックの面白い現象の一つだなと思って、その事を歌詞にしたんですね。だから「彼らは完璧にレコーディングをこなして、すごい曲を作って、最後に1枚のアルバムを残して解散してしまった」ってフレーズがあるんです。どの曲もオチを付けるのが好きなんで(笑)。
■はい、存じてます(笑)。もう少し夢のある感じかと思ったんですが、結構シニカルですね(笑)。
Naoko:結構、現実的なんですよ(笑)。でも「すごいバンド」って意味もあるし、そういうバンドでありたくてこのタイトルにしました。??あと今回、全部英語にしてみたんですが、日本のバンドも英詞がもう市民権を得ていると思うので。ナイフもロックの言葉=英語だと思っているので。
■3曲目“Muddy Bubbles Hell”はハードロックな曲ですが、これも原点回帰の一つですかね?
Naoko:ハードロックっぽい曲は毎回1、2曲、ずっと入れてきてるんですけど、今回は更にハードな感じになった。
Ritsuko:えっちゃんが入ったくらいから、そのハードな部分がすごく増しているんです。
Etsuko:分析が細かいなぁ(笑)。そういうの得意なので。
Naoko:テンポの速い曲を続けてでも叩けるからね(笑)。
■そして今作も、食べ物の歌が当然収録されてますね。
Naoko:4曲目の“Deer Biscuits”は「鹿せんべい」って意味で、奈良公園の鹿の食べるおせんべいの事なんですよね。「Smells like soybeans flour」って歌詞があって「きな粉の匂い」って意味なんですが、soybeans(大豆)のflour(粉)で「きな粉」(笑)。奈良公園で鹿せんべいが4枚で100円で売っていて、それを買って匂いを嗅いだら「あ〜、きな粉の匂いだ」と思って(笑)。それを鹿にあげてたら知らない間にいっぱい寄って来て「きゃあ〜怖〜い!」って叫んだら、周りの人達に笑われたという事を歌詞にしたんです。
■ほのぼのした曲だとは思ったんですが(笑)。
Naoko:“BBQ Party”は、友達とバーベキューをやって厚揚げ豆腐を焼いてみたり、アメリカだとバーベキューでマシュマロをよく焼くんで、マシュマロも焼いて。1曲の中で日本と外国のやり方を混ぜる事によって、どちらの人が聴いても新しい発見があったら面白いと思って。で、たらふく食べて、ダイエットなんか気にしないで食べようって歌です。
■ダイエットに対するアンチテーゼみたいな?
Naoko:そう、バナナとか売り切れたりしてますもんね(笑)。でもたまには食べてもいいんじゃないかってことで。
■最後のポール・マッカートニー&ウィングスの“Jet”のカヴァーですが、本来ならシンセを入れたい感じですかね?
Naoko:いや、わざとGtやBで演る方がいいかなと思ったんで。多分、ポール・マッカートニーも奥さんのリンダ・マッカートニーがKeyしか弾けないから、バンドのメンバーに入れたくてシンセを入れたと思うんですよ。私の分析では(笑)。リンダ・マッカートニーが奥さんでなければ、Keyを入れてなかったんじゃないかなと(一同笑)。
■すごい斬新な意見ですね(笑)。絶妙なカヴァーだと思います。では、今後のナイフの予定は?
Naoko:12月に〈SPACE X'MAS〉ってライヴが東京、名古屋、岡山、高知、大阪であって。あと久しぶりにヨーロッパとオセアニアの方にライヴに行きたいなと考えているとこです。
■では最後に一言ずつメッセージをお願いします。
Etsuko:すごくカッコいいアルバムができたので、是非、聴いてもらってライヴにも遊びにきてほしいと思います。
Naoko:『Super Group』はGt、B、Drだけで演奏していて、とてもロックでポップで楽しいアルバムになりました。聴いた人は笑顔になると思うので、是非、聴いて下さい。
Ritsuko:Naokoさんが以前「ロックはスピリッツのことや」って言ってたんですけど、私もスピリッツはロックなので、新生少年ナイフのライヴを是非、見に来て下さい。そしてCDでもロック・スピリッツを感じて下さい!
Interview&Text : 田代 洋一
|