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感情揺さぶる名曲『LAST TRAIN』日本語盤
いまなぜ日本詞にしなければならないのかを問う
近年のメロコアシーンにおいて最重要バンドとして人気急上昇中のノットランプが、シングル『LAST TRAIN -新しい朝-』をリリースしたのだが、ファンからは「なんでまたこの曲を?」という疑問の声が寄せられ、賛否両論を巻き起こしているとかいないとか。でも、それは彼らの代表曲といっても過言ではない既存曲だからで、それだけ影響を与えた曲なのである。英詞から日本詞に変え、アレンジも加えての新たなヴァージョン。日本詞であろうが、純粋にいいことを歌っていることに変わりはないし、彼らの最大の武器であるメロディーがさらに奥深くまで染み渡る、新たな理由がここに生まれただけだ。と、結論づけてみたが、ここに辿り着くまでの苦悩と不安は当然のことながら本人達にはあったわけで。そこを経たからこその自信と闘争心が彼らには満ちあふれているのである。初登場にして、ロングインタビュー。その期待は大きい。
■今年は大型フェスに出演したり、No Use For a NameやOFFSPRINGのジャパンツアーでオープニングを務めたりと、バンドとしての状況が変わってきましたね。
KEIT : そうですね。ありがたい話をたくさんいただくことができてます。デビューして一年経つんですけど、責任感だったり、ライヴや作品に対すること。いろんなことに自覚を持っていけば、「目指してるところに行けるんじゃないか」って感じさせてくれる出来事がたくさんあって。でも、反面では「そんなに甘くはねぇぞ」ってことも同時に感じることができてます。でも、フェスで一緒になった先輩バンドがボクらみたいな新人にやさしく接してくれたのは、ホントうれしかったです。打ち上げでボクらなんかにゴハン取り分けてくれたりとか。誰に接するのにも変わらない態度だし、素晴らしい人達ですね。もうね、信じられない光景が目の前に広がってました。はい。
■微笑ましい話ですね(笑)。あと、大きな話でいえばknotlampの代表曲“LAST TRAIN”がアニメの主題歌になって、今回シングルで発売したんですよね? そこで疑問があって「なんでまたこの曲なの?」と当然思うわけですよ。まずはその経緯を聞かせていただけますか?
AKIHIKO : まず、“LAST TRAIN”を音源として出すのって、今回のシングルで三回目になるんですね。4、5年前に自主盤で作った『The Limited World』に収録したのが始めで、次に去年出した『Ghost of the freedom』に収録して、僕らの中では今回で三度目。
■いい曲だからって自主的にここまで引っ張ってるわけではないですよね?
AKIHIKO : ボクらも正直言えば「また!?」って思いましたよ。でも、タイアップの話があって「遊☆戯☆王 5D'S」ってアニメなんですけど、その監督さんが“LAST TRAIN”をものすごく気に入ってくれたんですね。で、「この曲じゃないとダメだ」って熱望してくれて。
TOHRU : 振り返ってみると、大事な場面で必ず出てくるのがこの曲だから、「ボク達を象徴する曲として生まれたなのかな」と、今回も思いましたけどね。
■来るべき時がきた名曲なのかもしれないけど、これって、新曲ではダメだったんですか?
KEIT : どうせシングルとして出すなら、新曲がよかったから「新曲でやらせてください」ってお願いはボクらもしたんですよ。でも、監督さんが「“LAST TRAIN”が好きなんだ!! 」って。こっちも意地になって、新曲作っては送って聴いてもらったんですけど、それでもやっぱり難しくて。
■嬉しいやら悲しいやら複雑な気分になりますね(笑)。
KEIT : そうなんですよ(笑)。「他の曲もいいんだけどさ、でも“LAST TRAIN”が好きなんだよ」って。そこまで言われたら、もう承諾するしかないじゃないですか? 最初は少し抵抗があったんですよ。セカンドアルバムにも収録してるし、PVもすでに存在してるわけだし、それをさらにシングルで、しかも日本語で歌い直すわけで。「それってどうなの?」って思うわけじゃないですか?
■そうですよね。一度深い所まで詰めた曲ですもんね。
KEIT : 英詞で馴染んでる曲を日本詞にするって、ファンが聴いたら「どう受け止められるんだろう」って不安にもなるんですよ。でも、結論としてオレらを語る上では欠かせない曲なんだし、それに恥じない日本語をのせればいいわけで。アニメでパンク調の展開がある曲が使われるって、あんまりないし、喜ばしいことなんだから、まずはオレらが素直に受け入れればいいんだなって。そしたら、今度はアニメの主題歌として“LAST TRAIN”が流れることに興味が湧いてきたから、最終的はいい方向に向かいましたけど。
■そこまで追い込まれるってことは、日本詞に変えたのもバンドサイドの意向ではなく、監督からの要望であったってことですよね?
KEIT : 完全に監督さんからの要望でした。だから最初は抵抗あったんですよ。「テレビ用に日本詞にしたの? どうなの?」って言われるんじゃないか。「knotlamp売れようとしてんじゃね?」ってそう捉える人も少なからずいるんじゃないかって。すごくコワかったし、相当葛藤したし。でも、さっきも言った通り、恥じない状態で日本詞をのせればいいわけだし「アニメのオープニングとして出すって意識じゃなくて、シングルとして出すんだ」って考え方にシフトを代えれば、カップリングに新曲入れて、そこでちゃんとケリつければいいんじゃないかって思えるようになったんですね。そう考えれば、日本語云々でなんか言う人がおったとしても、あとの二曲で「knotlampはなにも変わってないんだ」って、そう思ってもらえるんじゃないかって。そう解釈できるようになりました。トータルの三曲で幅を持たせてるし、いい流れがシングルとしてできてると思う。
■そうですね。でも、一応訊いておきたいんですが、日本詞での“LAST TRAIN -新しい朝-”を聴いた時、三人はどんな印象を持ちました?
AKIHIKO : デモを聴いた時は、最初はやっぱり違和感を感じましたよ。それは長年演奏してきたから当たり前の話だし。でも、聴いてくうちに浸透していきましたね。今ではなんの違和感もなく聴ける。
TOHRU : ボクは始めに聴いた時点からすごく気に入ってるんですよ。歌詞がストレートに入ってくるし、今までにない感覚で自分の中に入ってくる。
TETSUNARI : 今となっては心地いいぐらいですよ。これはこれで一曲として、すごくいい作品だと思うし。
■英詞で聴き馴染みのあるファンに始めから「違和感持たずに聴いてくれ」っていうのも違う気がするし、賛否両論があるのは仕方ないと思うんですよ。でも、knotlampの音楽はメロディーの良さが一番なわけじゃないですか? そこまで評価されるメロディーが“LAST TRAIN”にはあるわけだから、まずはそこを感じ取るべきであって。日本詞に関しては別ヴァージョンとしての楽しみ方のひとつでいいんじゃないかと思う。日本語になった分、TOHRUさんが言ったみたいに、歌詞がストレートに入ってくるわけですし。なんかスッキリしますよ。
TOHRU : そうですよね。どう転がるか見えない作業だったんですけど、最終的には満足できる結果を生み出すことができたのでよかったと思います。
■それにめっちゃいいこと歌ってるじゃないですか?
KEIT : そうっすね…………はい(笑)。
■ジャケットも媚びることなく、きちんと今までの流れをくんでるじゃないですか? ちゃんとknotlampらしさを感じさせてますよね。
KEIT : そうなんですよ。あー、ちゃんとわかってくれてますね。みんながそう思ってくれることが今回のシングルでの理想であって、願いですね。これちゃんと書いておいてくださいよ(笑)。
■ジャケットはその作品を語りますからね。だからknotlampの点がちゃんと繋がってると思います。
KEIT : ジャケットはね、すごく悩みましたよ。一作目、二作目と外国人の写真だったじゃないですか? で、二作目は一作目の延長として考えられるけど、いざ三作目となるとね。どう流れていくべきかって、悩んじゃうんですよね。その先にあるアルバムのことも視野に入れ始めてきてたし、この外人シリーズは次のアルバムで完結させて、シングルはまったく別物として捉えるとか…………どうしたらいいだろうって、わかんなくなっちゃって。でも、やっぱりここまでの流れをうまくくんで、いつも通りに流れていくのが自然だったんですよ。いろんな意見があったし、当然アニメ関連を表に出すって意見もありましたけど、売れるためのジャケットなのか、knotlampのジャケットなのかってことじゃないですか? でも、knotlampはknotlampなのでどう転ぼうがいいんじゃないかって。いつも通りのジャケットにしたことで、日本語になってもいつも通りであるんだって。それをわかってもらえることが一番だなってところで落ち着きました。
■いいんじゃないですかね。ここまでいろいろ訊いておいてこんなこと言うのもなんですけど、いいものはいいんだし、knotlampを知る上でのきっかけが少しでも広がることが一番じゃないですか? アニメがきっかけで火がついたバンドも多いですし。
KEIT : じつは、このアニメって世界各国80箇所で流れてるみたいで……。
■そんなに人気があるアニメなんだ。知らなかった(笑)。
KEIT : 日本よりも海外の方が人気あるみたいで、「日本のアニメでなにが有名?」って訊くと、大人から子供まで大体の人が「遊☆戯☆王」って答えるらしくて。海外でもライヴやっていきたいって思ってるから、これがきっかけにもなると思うんですよ。日本でだって、一般ユーザーに知ってもらえるのは素直にうれしいことだし、どんな反応が還ってくるのかは、まだわかんないですけどね。「オレ達のライヴに小学生が来るのか?」とか(笑)。
■あんなカオス状態の中に小学生がいたら気になってしょうがないけど(笑)。
KEIT : そうですよね(笑)。でもね、ロック好きばかりが集まるだけじゃなくて、いろんな人が来てくれていいと思うんですよ。そういう気持ちの上では、こうやってテレビで流れてくれることは前向きな選択として正しかったんじゃないかな。「売れるためだ」って捉える人もおるかもしれないけど、それはそれでね。信念貫いて、続けていけばいずれはわかってくれると思うし、変に閉鎖的にもなってほしくないし、ちゃんと自信もあるから。もうね、がんばるしかないっス。
■この流れを次のアルバムにも反映させてくださいよ。これからレコーディングですか?
KEIT : そうですね。いま曲を書いてるところで、そろそろレコーディングに入れたらなぁと思ってるところです。ここからさらに拍車をかけた作品になる予感がすでにしてるので、楽しみにしててください。
Interview & Text: 松木美歩
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