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ハイスピードで駆け抜けてきたロデオキャブレター
3rdアルバムで辿り着いた 新境地から見えた景色とは!?
常にフルスロットルでエンジン全開。故にヒリヒリするほどのスピード感とギリギリのスリル、前進する駆動力を持って活動を続けてきたロデオキャブレター。今年2月にシングル“Speed of flow”リリース後、ひたすらライヴを重ね、確固たる決意と共にレーベルを移籍。10/15には過去の音源を極限まで削ぎ落としたリミックスアルバム『STRIPDOWN Junkyard Mixes』をリリースしたばかりの彼らが、様々な旅を経て、3枚目となるフルアルバムで“新境地”へと辿り着いた。ニューアルバム『rowdydow』は、バイオレントなロックンロールのみならず、バンドの今の勢いが投影されたオープニング・ナンバー“BLACKXXX”を始め、軽快でポップな“slightly bitter-sweet”、クレイジーな“ELECTRICXXX”、ドラマティックなバラード“fragrance”など、個性に溢れた13曲が揃っている。つまり、今までになく バラエティに富んだ作品となっているのだが、これまでの経験で得たモノ全てを音にぶつけたかのような迷いのない姿勢が一貫しているからこそ、全曲がストレートなロックンロールとして響いてくるのだ。なぜ今、このような作品ができたのだろうか?この号が出る頃にツアーファイナルを迎える、MY WAY MY LOVE、BlieANとのトリプルヘッドライナーツアー、〈Maximum Volume〉ツアー中の鍛治に話を聞いた。
歴史に残るアルバムが出来たと思ってます
■ニューアルバムがリリースされますが、完成された心境としてはいかがですか?
鍛治:歴史に残るアルバムが出来たと思ってます。未来がいっぱい詰まっている感じです。
■後ほど色々お伺いできればと思うのですが──アルバム制作期間に、自身のツアーはもちろん、〈Maximum Volume TOUR〉や10月にはリミックスアルバム『STRIPDOWN JunkYard Mixes』のリリース、レーベル移籍など……様々なことがあったと思うんですが、振り返ってみるといかがです?
鍛治:色々ありましたね。「もう一回ゼロからやろう」っていうところなんですよね。バンドとして「今を鳴らそうか」とか、「ライヴハウスをパンパンに出来る作業をしようよ」とか……そういうところをハングリーにやりたかったので。身内のレーベルに移った感覚ですけど(笑)。でも、アマチュアの時期、“月光ダンス”など〈Dynamord 〉でやらせてもらってた時期、〈Kowalski〉でやらせてもらってた時期……一個でもかけていたら、今回のアルバムは作れなかったと思うんですよ。その経験がライヴを重ねるうちに確信に変わったんですよね。俺たちはブレないし、ここで勝負するつもりだし。今なら、どこでやっても勝てますもんね。ただ、今のリアルな目標は全国でのライヴハウスでのライヴというか。
■じゃあ、今絶賛ツアー中の〈Maximum Volume TOUR〉は最高なんじゃないですか?
鍛治:最高ですね。3バンドともニヤッとしてるというか、濃いライヴというか(笑)。MY WAY(MY LOVE)は大先輩なので学ぶことも多いし、BlieANの若い勢いは、あの時代の人しか出せない音だと思うので──学ぶことは多いですね。
■3人の距離もグッと近づいたように思います。
鍛治:そうですね。気持ち悪いくらい一緒にいますし(笑)。音だけで通じ合えるっていうと、綺麗事な気がしますけど、「お前何を思ってるんだよ?」っていうことをきちんと話し合えるようになったんですよ。7年経って、やっと(笑)。バンドの調子がいいので、やってて楽しいですね。ただ、本気で遊んでるだけなんですけど(笑)。30過ぎた男たちが集まって本気で遊ぶとこうなるって感じです(笑)。
■(笑)『Kingdom』の頃から、バンドの雰囲気も変わってきましたよね。変化は感じられてます?
鍛治:そうですね。今は「ロデオキャブレターは“これ”だ」っていうのが見えたことが大きかったですね。この音で勝負したい、と。それは、やっぱりライヴで気付いて。あいつらともっとガチンコで勝負したいという欲求がデッカくなっちゃって。……ロックで世界は変わらないとオレは思ってるんですけど、ライヴハウスに来た人間は変えられると思うんです。だから、よりダイレクトに伝えたいな、と。
■過去の曲をよりダイレクトな音にしたリミックスアルバムについてはいかがでしょう。
鍛治:『STRIPDOWN Junkyard Mixes』は、とことんライヴを意識したことを提示したかったんですよ。言うならば、現在のロデオキャブレターを感じられるアルバム。で、逆に『rowdydow』は、未来を感じられるアルバム。リミックスアルバムは、単純にすっげー格好良いなって思えたんですよね。「ああ、もうこの音だな」と。
■ああ、なるほど。でも、リミックスアルバムって聴いたときは、どんな音になってるんだろうと思ったんですけど、むしろ音数が減ってて、しかもソリッドになってて。
鍛治:ギター一本しか入ってないんですよ。ライヴだと俺らしかいないし、正にライヴを見せたかった。ゼロから発信したいっていう欲求が大きかったから作ったんですけど──アルバムと同時進行で作ってたんですよ。今回のアルバムは、ツアーの合間を縫って4回に分けてレコーディングしてて。だから1年くらいかかってたんですよね。
■あ、じゃあ「これだ」っていう確信を持ったのは、アルバムの楽曲を作っている最中だったんですね。
鍛治:そうですね。自分の中では腹を括ってたつもりだったんですけど、色んな葛藤と戦いながらの制作でしたね。だから揺らいでいた時期もありましたけど……。
■でも、リミックスアルバムで区切りをつけて、アルバムをリリースできて……良かったですね、っていう言い方も変ですけど(笑)。
鍛治:(笑)バンドの状態はホントに良いんですよね。すっごく幸せですね。
「最上級のモノを作る」って以外はありませんでした
■先ほど4回に分けてっていうお話をされていましたけど、具体的に制作はどう進められていったんですか。
鍛治:ツアーやライヴをやると、書きたい曲が出てきちゃって「もうちょっと曲書かせて下さい」みたいな感じで逆に中断しちゃうっていう。だから、最後までどの曲が入るか分からないくらい曲数も多くなっちゃって、ギリギリの作業でしたね。
■……いつもそんな制作でしたっけ?
鍛治:初めてですね。いつもはガッツリ制作期間を決めて作っていたので……そういう意味でもバラエティに富んだ雰囲気に仕上がったと思いますし、「こういう作り方もできるんだ」っていう自信にもなりました。
■じゃあ、もちろんテーマなどはなく(笑)。
鍛治:もちろん(笑)。「最上級のモノを作る」って以外はありませんでしたね。1枚、1枚のピクチャーが入っている感じっていう……1枚抜けてもこのアルバムが崩れちゃうし、曲順も曲間も全てこだわりました。基本的な曲作りは変わらないんですけど、いろんな経験が全て表れたんだろうなっていう思いはありますけどね。ロデオキャブレターって色んな景色を見てきたバンドだと思うんですよ。お客さんゼロのライヴもあったし、大型フェスも経験させてもらったり、海外でのステージもあったし。そういう経験が出たなっていうか。
■なるほど。原点回帰的な部分も感じましたけどね。
鍛治:そうですね。勢いが出ている分、それと同じ分くらいハングリーさも必要だな、と制作中に思ってました。今まで環境が恵まれすぎていたので。──だからこそ、自分たちで自らケツ叩くようにしたっていうか。「ちゃんとしぃや!」って(笑)。
■アハハ、思わず関西弁に(笑)。様々なことをメンバー内で話し合われたと思うんですけど……。
鍛治:はい。今回3枚目なので、爆音だけじゃない強みを全面に出さないといけない、っていう意識はしてて。曲に関して言えば2人のプッシュが大きいですね。俺のニュアンスを分かってもらえるのは、この2人しかいないんだろうな、と。レコーディング前にプロデューサーも含めて曲のことを話し合ったんですよ。1曲、1曲のコンセプトがしっかり出来てたので、録るときは1テイク、2テイクで終わりました。……ロデオキャブレターっていうジャンルが出来たら格好良いなって思ったんですよね。ロックとか、ソウルとかそういうジャンルとして……面白くないッスか?(笑) 誤解を恐れずに言えば、〈Maximum Volume TOUR〉ってそんな感じなんですよ。ジャンル同士のガチンコ勝負というか……「あ、ホントにジャンルになっちゃったね」っていう日がくると思うんですよ。宇宙一のバンドを目指してるので!
■宇宙! でっかいスね!(一同笑)アルバム全体的にメロディーの良さが光ってると思うんですけど、意識されました?“Speed of flow”が入っていることが大きいと思うんですが。
鍛治:間違いなくあの曲で2、3歩前進しましたね。楽曲が出来てからメロディーを作ってたんですけど、この曲はメロディー先行で作っていたので……他のバンドさんの音を聴いていてもやっぱりメロディーのある曲がいいというか。元々、ロデオが持ってた資質だと思うんです。それが前面に出たんだと思う。ロデオの中のポップ感、メロディアスさなので、俺らしか歌えない曲になったと思います。バンド的には筋の通りまくったアルバムです。
今は普通に「格好いいでしょ?」って言える
■では、1曲目“BLACKXXX”についてはどうでしょう?PVになるとのことですが。
鍛治:この曲は、ガンガンライヴでやっていて。他の曲も数曲やってるんですよ。
■他はどの曲を?
鍛治:“Heavy Beauty”や“bloody hell”はやってるし……もう “bloody hell”はライヴのほうが良いですね。
■まだアルバムが出てないのに(笑)。
鍛治:(笑)今回のレコーディングが終わってライヴのバリエーションが広がりましたね。余裕ができたし。
■おぉ。“Arabian Night”みたいな、オリエンタルな旋
律が入った曲があるのにはちょっと驚きましたけど(笑)。
鍛治:(笑)でも、「どうだ!」っていう感じで出せますね。昔だったら背伸びしないと……「狙った」って思われるコトを避けてたかもしれないけど、今は普通に「格好いいでしょ?」って言えるというか。
■そういう意味で言うと、8曲目の“ELECTRICXXX”はかなりクレイジーなトラックですよね。
鍛治:これは……録ろうってなった瞬間に「じゃあ、誠さんヴォーカルやってください」って言って。実はこれ、誠さんが歌ってるんです(笑)。
■ええ! そうだったんですか。新しい試みですね。
鍛治:そうですね。今はフリーダムなんですよね。委ねられるって言うか。ある程度のラインだけ決めて「あとは好き勝手に歌って」って。まぁ、経験ですよね。「本気で遊んだ結果」って言うか。歌詞もあいつのアイデアが入ってるんです。だから“XXX”が入っちゃってるんですよ。何歌ってるか分からなかったから(笑)。
■“BLACKXXX”にも“XXX”がついてますけど、これは意図的なものでしょうか?
鍛治:いや、ロデオ内での流行りです(笑)。流行りに乗っかった感じです。
■自分たちの流行りに乗るって(一同笑)。
鍛治:はい(笑)。「俺が俺が」って感じなんです(笑)。フリーダムですよね。
■ ハハハ!後半に行くにつれて、そういう捻りの効いた曲
が多いですよね。
鍛治:そうですね。性格の悪さが出てるのかも(笑)。
■ (笑)でも、決して聴きにくいわけじゃないというか…
…迷いの無さが出てますね。
鍛治:そうですね。迷いは一切ないかな。あと、オーディエンスと繋がりたいっていう欲求が強いです。
■なるほど。最後の曲“Rudy&Bob”の歌詞も興味深かったんですけど。
鍛治:そうですね。それまでの登場人物が繋がる感じが気持ちいいというか──新しい人物RudyとBobが出てきて、ジョニーも出てきて……これも余裕があるからこそできることなのかもしれないんですけど。
■歌詞の中に出てくる登場人物は架空の人物ですか? それとも自分自身が投影されてますか?
鍛治:完全に架空ですね。アニメみたいな感じかな……Bobは凄く体格のいい感じの人で、Rudyはツンツン頭のパンクスで、それぞれの主人公がいるという感じ。歌詞は一番最後に書いた曲だし、「今」のロデオキャブレターが出てると思います。
■なるほど。でも、今回の歌詞っていい意味で毒がないというか……昔はもっと世間に対するアンチテーゼみたいなものを感じてたんですけど(笑)。
鍛治:ああ、確かに、そうですね。そこも自然と。
■あと、分かりやすい言葉を選ばれているように感じますけどね。
鍛治:ツアーが影響しているんでしょうね。もっと「アイツらに届けたい」っていうか、そういうことを考えましたね。
■このタイトルはどういう思いを込められたんですか?
鍛治:“騒ぐ”とかそういう意味があるんですけど──全体を通して聴いたときに、バカ騒ぎしたいなって思ったんですよね。まぁ、ロックバンドなんで、“静か”ってタイトルつけられても困るじゃないですか。このジャケを見て、タイトルを決めましたね。
■まぁ、確かに 『サイレント』だったら嫌だなぁ(一同爆笑)。ジャケットは、スピード感があって、エッジの効いた雰囲気のジャケですね。
鍛治:このジャケ、バイクなんですよ。その部分を再提示したかったって言うか……曲を聴いてジャケ見てもらっても良いし、ジャケ買いした人は納得できる曲だと思うし。
■ライヴが楽しみですね。
鍛治:はい。本気で遊んでるので、その一員になって欲しいし、色んな人に見てもらいたいですね。
Interview & Text: 逆井真理
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