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22枚目にして最高傑作の呼び声高い普遍的ミュージック
17年という長き活動歴の中、22枚目にしてこれほどポテンシャルの高い作品はなかなかない。「史上最も激しく叙情的な傑作」この謳い文句がそのまま反映され、良質さと品の良さに爆発力を持った作品。曲が持つ華やかさと普遍性がさらに太くなっているのも嬉しい。ジャズとロックが一番近いところでひとつになったバンド・DIMENSIONが放つ最新作『22』。この味わい深き作品からあなたはなにをイメージする?
■17年という長い歴史のあるグループですが、フュージョンというジャンルでいえば、他と一線を画する攻撃性や存在感があると感じます。続けていく上で意識されていることってありますか?
勝田:意識は特にないですよ。個性のあるバンドだということをいろんな方々が言ってくれてはいますけど、要はそれぞれが得意なところや好きな部分を出して作ったり、演奏したりということなので、それが自然と個性に繋がっているのかもしれませんね。ジャンル分けをするとフュージョンで、一時はいいイメージがないジャンルではありましたけど、僕らは「フュージョンやろうよ」と言って始めたバンドではなく、楽器奏者が集まってインストをやってるというだけでね。だから、ごくごく自然なんですよね。僕も元々ジャズ・ミュージシャンなんですけど、いわゆるアコースティックな方向性で演奏していくとなると、古典ジャズのようなものになっていくと思うんです。それはジャズと言われる音楽であって、DIMENSIONの三人が集まると自然とこういう形態になったってことですよね。
■CDを出す上ではジャンル分けしなくてはいけないから、そこはフュージョンとしておこうかって感じですかね。
勝田:そうですね。そう言われるならそれはそれでいいし。始めはクロスオーバーという呼び名が付いてましたけど、もうちょっとかっこいい呼び名にしようっていうことでフュージョンってジャンルができたんでしょうけど、エレクトリック・ジャズと言われれば、そうだろうしね。DIMENSIONは4ビートのジャズを演奏したりもするけど、それでもフュージョンバンドと言われるし、やってる側はいたって単純にやってるだけですよ。未来を考えて作ってるわけでもないし、やりたい音がまだまだいっぱいあるからここまで続いてるんでしょうしね。
■あえてフュージョンという呼び名にフォーカスすると、フュージョンってBGMとして成立されているように思うんですね。でも、今回の作品を聴かせていただいても決してBGMになる音ではないと思うんです。それぞれの個性や主張、曲の構成。すべてにおいて、リスニングされる音楽だなと。
勝田:もちろんそういう風にしたいと思ってやってはいますけど、BGMとして捉えるのであれば、それはレコード会社が自分で自分の首を絞めてるような宣伝文句かもしれませんね。でも、人によってはメタリカがいいBGMだと思う人もいるわけですよ。ジャマにならないねって。でも、世間一般にはジャズはジャマにならないからBGMとして捉えられる。なぜかというと、ビートが4ビートだからはっきりしないわけですよ。でも、DIMENSIONはバックビートだからスネアの音も入る。そこがジャマになるかならないかの大きな要因だと思うんです。最終的には受け取り側がどう感じるかなんですけどね。好きか嫌いかってことですよ。
■発信する場所で変化するということも起こりうることですしね。
勝田:インタビュアーの方はネガティブなイメージから話すことも多いですからね。
■そうですか。でも、この『22』という作品からはポジティブなイメージしか湧かなかったですけどね。
勝田:そうですか。それはすばらしいことだと思いますよ。ありがとうございます。まだやりたいことがあるっていう気持ちの表れなんでしょうね。やりたい音をまだやり尽くしてないからいい状態で22枚目を作れているわけでね。それが無くなってしまったらそこで終わってしまうんだろうし。音楽を仕事としてやってはいるけど、DIMENSIONは仕事では割り切れないところがありますしね。出してる音が楽しいし、それぞれが欲しい音をそれぞれが持ってる。そこは大きい。
■今回の作品で求めた部分ってどういうとこですか?
勝田:このバンドは特にコンセプトを事前に決めて、作品を作ったりはしないんですけど、インストミュージックはイメージ音楽ですからね。聴いてる方々が好きに感じてくれる音楽であれば、それでいいんですよ。こちら側でいえば、三人が得意なことを心ゆくまで表現する。その三人の個性を楽曲にして、アルバムにする。それが毎作のコンセプトですね。
■攻撃性というものを音からすごく感じるんですが。
勝田:このバンドの個性のひとつでしょうね。ギターの増崎がロックギター出身のテクニック派で売ってる男なんですけど、彼がいわゆるロックの要素を多く醸し出してるから、ロックや攻撃性という概念を持つんだと思いますよ。でも、そうですね。それ以外でもジャズとロックが一番近いところでくっ付いてるバンドだってことも言われますからね。これが意外とクラブのステージでやってもウケたりするんですよね。
■いいスパンで作品を出してらっしゃるので、現時点での最高の状態を超える次回作がすでに楽しみになる作品でした。次は『23』、ですね。
勝田:そうですね。この流れでいけば、来年次回作ができるんじゃないかな。まだやりたいことはたくさんありますから。
Interview & Text : Miho Matsuki |